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ドイツ政府が海外石炭発電の支援方針を発表~支援対象を大きく絞り込み

2014年12月、ドイツ政府が公的支援を使った海外の石炭火力発電所建設支援に際する方針を表明した(European Voice記事)。ドイツのNGOが政府関係者へのヒアリングしたところ、ドイツ政府の海外石炭発電事業の主な支援条件は以下の通りとのことである。

  • 海外の石炭火力発電所に支援する際には、受入国が適切な気候変動政策を定めており、発電プロジェクトがその政策に沿っていること。
  • 発電容量が500MW以上の石炭火力発電所に支援する際には、褐炭利用の場合43%以上、無煙炭の場合は44%以上の発電効率を有していること(これは超々臨界圧の石炭火力発電所に限定することを意味する。日本の政府系金融機関である国際協力銀行<JBIC>が2003年以降に支援した石炭火力発電所24案件中、超々臨界圧の石炭火力発電所はモロッコのサフィ石炭火力発電所1件のみであり、ドイツの提案は、対象案件を大きく絞り込んだことを意味する)。
  • 発電容量が500MW以下の石炭火力発電所に支援する際には、受入国周辺の石炭発電所のうち、上位25%の発電効率を有していること。

現在、経済協力開発機構(OECD)では、政府系金融機関による海外石炭火力発電への支援方針の議論が行われている(交渉の概要と日本政府の提案概要については、「輸出信用機関による石炭火力発電への支援方針に関する日本政府の立場の問題点及びNGO提言」を参照)。すでにアメリカ、イギリス、フランス等は、公的支援を使った海外の石炭火力発電所建設支援を原則として行わないことを表明。これまでドイツの動向が注目されていたが、ドイツも海外への石炭火力発電への支援を大きく絞り込むことを表明したことになる。

ドイツがこのような提案を表明した中、OECD諸国で海外の石炭火力発電支援を行っている主要国のうち、支援継続を表明しているのは日本のみとなった。日本の孤立化が懸念される。