No Coal,Go Green!日本の海外石炭融資にNO!

ベトナム

ベトナム社会主義共和国は、日本の9割ほどの面積の国土に、約9,600万人【注1】が暮らす。国土は南北に細長く、国境を中国、ラオス、カンボジアと接し、東側は南シナ海に面している。
2016年にパリ協定に署名。

ベトナム周辺の地図

出典:Google Map

電力構成

発電設備容量は2018年時点で、48,573メガワット(MW)(=約49ギガワット(GW ))【注2】
内訳は以下の通り【注2】

  • 石炭 18,516MW(38.12%)
  • 水力 17,031MW(35.06%)
  • ガス・石油 8,978MW(18.48%)
  • 再生可能エネルギー 3,476MW(7.16%)
  • 輸入(中国、ラオス) 572MW(1.18%)

なお、ベトナムでは主に北部で石炭が採掘されているが、2015年からは輸入国に転じており、主要輸入元はオーストラリア、インドネシア、ロシアである。【注3】

電化率

電化率は1993年時点で14%だったが、2018年時点では99%以上となっている【注4】

電力需要

電力需要は2000年以来、年率13%の伸びを示し、2030年まで年率8%の伸びが続くと予想されている【注5】。そして、ベトナム商工省の「第7次国家電力計画改訂版 進捗報告書」【注6】によると、2019-2020年は電力の需給が釣り合うものの、2021-2025年は石油による発電を最大化しても徐々に釣り合わなくなり、ベトナム南部で電力不足が生じると予測されている。

一方で、電力需要を抑えるために、特に南部で、省エネ促進やエネルギー関連監査を強化し、また、屋根設置型の太陽光発電の普及を促進すること、そして各地方政府には、生産および消費部門における省エネを指導するように打ち出されている。

ベトナムの電力ロス率は2018年時点で7.04%【注2】(参考までに東京電力は4.2%)であり、改善の余地がある。また、同じ東南アジアのメコン圏で急激な経済発展を遂げたタイの電力設備容量を、すでにベトナムは超えている。電力需要の伸びは予想を下回る可能性もあり、さらに今後は、省エネや蓄電等の技術革新が見込まれ、電力需要増に応じて設備容量を増やすという従来の方法以外で需要に対応していくことは十分考えられる。

再生可能エネルギー

ベトナムは再生可能エネルギーに関して、高いポテンシャルがある。特に南部において太陽光、そして中南部から南部にかけては比較的遠浅の沿岸が広がるため、洋上風力のポテンシャルが高い。【注7】

前述の進捗報告書によると、2019年から2020年の間に新たに稼働を開始する発電事業は計6,900MWだが、そのうち3,800MWは太陽光や風力などの再生可能エネルギーである。

また、ベトナム商工省・デンマークエネルギー庁の「エネルギー見通し2019」【注8】によると、2030年には好立地にある太陽光及び風力による発電20ギガワット(GW)が、石炭火力発電よりも低コストになるとされている。そして、技術革新に伴う低コスト化がさらに進むと予測される2050年には、その量は100GWを超えると示唆されている。

また同見通しによると、エネルギーの高効率化と組み合わせ、なおかつコストは増加させずに、2030年に再生可能エネルギーの電源に占める割合を40%にまで引き上げることは可能であり、燃料の輸入を抑えるためにも引き上げが必要とされている。

石炭火力への反発

「第7次国家電力計画改訂版」において計画されていた石炭火力発電所のうち、特に南部のものが遅延しており、その理由の一つとして、地方政府の長たちが地元への建設を支持していないことが、同計画の進捗報告書で挙げられている。すでに石炭火力発電所の計画が持ち上がった地域や、稼働が開始した地域では、移転をめぐる問題や健康被害が増加し、場所によってはデモに発展するなど住民の反発が起きている。【注9】

ベトナムは、「第8次国家電力計画」の作成を進めており、2020年半ばには案が示され、2021年には策定される予定である。作成過程においては、各省の意見も反映させていくこととなっており、石炭火力については計画から削除される案件が出てくると予想される。

日本政府は官民を挙げて石炭火力発電事業をベトナムに輸出し、公害を引き起こしている。そして、同時に、温室効果ガスを大量に排出して気候変動を加速させているが、「脱石炭」「脱化石燃料」に舵を切るべきである。

詳しくは、「事業の問題」のファクトシートを参照

参考資料