STOP 日本の化石燃料融資にNO!

日本貿易保険の支援検討事業(キャメロンLNG)に対する意見書提出

本日、FoE JapanとFoE USは、日本貿易保険(日本政府が100%出資する輸出信用機関)が支援を検討している(注1)米国ルイジアナ州キャメロンLNG拡張事業に対し、地域社会や気候に対する多大な負の影響を鑑み、支援を行わないよう求める意見書を提出しました。

キャメロンLNGプロジェクトは、米国ルイジアナ州ハックベリーにおける液化天然ガス(LNG)事業で、1,200万トン(400万トン×3系列)のLNGの生産と輸出を行うものです。2022年、フェーズ2開発に合意し、年間最大生産能力675万トンのLNG設備1基の追加や、現在稼働中の3基の生産能力増強が計画されています。

ルイジアナ南西部は、LNG開発のために深刻な社会・環境影響をうけており、追加の投資は地域コミュニティにさらなる負荷をもたらします。キャメロンLNGの周辺40マイル(約65キロ)圏内には、10以上のLNG輸出ターミナルが存在しています。

キャメロンLNGを含む、ルイジアナに立地するLNG施設はハリケーンの影響に対し脆弱です。2020年にはカテゴリー4のハリケーンが2度もルイジアナ南西部を襲い、大きな損害を及ぼしました。ハリケーン・ローラによりキャメロンLNGは一時操業停止に陥り、217トンものメタンを2日間にわたって大気中に放出しました。

また、キャメロンLNGの操業は常に周辺環境に汚染をもたらしてきました。LNG輸出ターミナルから排出されるベンゼン、NOx、メタンなどの大気汚染物質はたびたび基準値を上回っています。2019年、キャメロンLNGは操業を開始した翌日に起きたメタン漏洩について情報公開を怠り、2021年には米国EPA(米国環境保護庁)も、2019年時点にキャメロンLNGが基準値を上回る汚染物質を排出していたと報告しています。2021年1月6日、時速63マイルに達した突風により施設の熱酸化装置が停止し、メタン、ベンゼン、揮発性有機化合物が大量に放出されました。

キャメロンLNG施設はカルカシュー川を汚染し、地元の漁業者がえびやオイスター、魚を安全に獲ることができなくなっています。メキシコ湾で操業できなくなり、収穫量と利益が減少しています。

注1:プロジェクト情報 【23-007】https://www.nexi.go.jp/en/environment/a/2023051502.html

意見書のダウンロードはこちら

Re: Comments to NEXI on potential support for Cameron LNG (Phase II) (PDF