STOP 日本の化石燃料融資にNO!

G20大阪サミット開催 世界で沸き起こる「No Coal Japan」の声!

2019年6月28-29日、大阪でG20サミットが開幕されるのにあわせ、国内外の環境NGOが、議長国である日本に対し、実効性のある気候変動対策とそのための脱石炭政策を求めるアクションを世界各地で開催しました。

日本では、『G20大阪サミット直前  GLOBAL PEOPLE’S ACTION』と銘打ち、横須賀・神戸は石炭火力発電所建設予定地付近で、開催地の大阪は市内でのアクションを敢行。
以下に日本各地および海外でのアクションの概要と動画を紹介します。

GLOBAL PEOPLE’S ACTION

■ 6月26日(水)横須賀

横須賀市久里浜にあるJERAが建設を進める横須賀石炭火力発電所の計画地に隣接する緑地に、日本政府に対して実質的な気候変動対策の推進および早期の脱石炭への舵切りを求める市民とNGOが集まりました。
久里浜には、東京電力と中部電力が50%ずつ出資する株式会社JERAによる石炭火力発電所の新規建設計画が進んでいます。既に旧発電所の解体作業が5月7日に始まっていますが、周辺の住民らは2019年5月27日に、本計画の確定通知を出した国の判断の取り消しを求めて東京地裁に提訴しています。26日のアクションでは、現場をバックに安倍首相を形どったパネルが登場。市民とNGOは、この計画の中止を求めるバナーや、石炭からの離脱を求めるバナーなどをかかげての写真撮影を行いました。

また、この日は世界各地でも、日本に脱石炭を求める『NO COAL JAPAN』キャンペーン(以下参照)に賛同する団体が、日本が石炭技術輸出を進めている国々や石炭事業で関連のある国(フィリピン、インドネシア、インド、パキスタン、バングラディッシュ、アメリカ、オーストラリア)の日本大使館前などで脱石炭などのメッセージを掲げたアクションを行いました。フィリピンでは、G20の旗を持ったポケモンが大行進。日本の石炭火力発電への投融資に反対するプラカードなどを掲げて抗議を表明しました。

写真左)フィリピンでポケモン軍団が日本大使館前に集結。石炭火力発電所への投融資を日本が止めるように訴えました。(350.org Pilipinas提供)
写真右)マニラでは女性団体が日本に対して石炭火力発電所の建設支援を止めてとメッセージを掲げました。(APMDD提供)

横須賀アクション終了後のプレスリリースはこちら(PDF)

■ 6月27日(木)神戸

翌27日には台風が接近する中、神戸製鋼が大規模石炭火力発電所の建設を進める工場敷地に隣接する公園にて石炭バケツに座る安倍首相の巨大バルーンを膨らませてのアクションを敢行しました。この建設予定地は、住宅密集地からわずか400mしか離れていません。既設の神戸発電所(140万kW)に加え、神戸製鉄所高炉休止跡地に新たな石炭火力発電所の建設計画(65万kW×2基、計130万kW)が進められることになり、地域住民は反対運動を続けています。
この神戸の建設計画には、最新の汚染防止技術が導入されておらず、かつての公害地域における大気汚染物質のさらなる増加が懸念されています。しかも、既存の神戸発電所はピーク需要の約7割を賄う能力を有しているので、これ以上新たな発電所を建設する必要はありません。地元住民はこの石炭火力発電所建設計画を巡り、民事訴訟と行政訴訟を起こして戦い続けており、今回のアクションを通して、当計画を中止し、日本の石炭火力推進に実質的な歯止めをかけるよう求めました。

神戸アクション終了後のプレスリリースはこちら(PDF)

■ 6月28日(金)大阪

連日アクション最終日の28日はG20サミット開催に合わせ、安倍首相に対し「パリ協定」に基づき脱炭素社会を目指すことを求めるストリートフォトアクションを行いました。パリ協定の目標に到達するためには、世界の脱石炭の流れに逆行する国内で新規の石炭火力発電所の建設を中止するとともに、国外への石炭火力関連の公的支援を止める必要があります。ここぞ大阪という市内某所にて、各国の首脳に扮したパフォーマーが、それぞれの国の石炭事業に対する姿勢を表明しました。

大阪アクション終了後のプレスリリースはこちら(PDF)

 

そして29日にG20大阪サミットは「力強い経済成長を牽引する」という首脳宣言を採択して閉幕。事前に気候変動対策のリーダーシップを取ると意気込んでいた安倍首相は、米国を孤立させずに全参加メンバーが合意できる内容を模索。米国のパリ協定離脱に言及しつつ、米国以外の19カ国はパリ協定履行確約を堅持することを明言する結果となりました。離脱を表明した米国と、協定の堅持を重視する欧州との対立が浮き彫りとなった今回のG20大阪サミット。開幕前から首脳宣言がパリ協定について言及しない場合には首相宣言に署名しないと主張してきた仏マクロン大統領が強硬な姿勢を示したのに対し、安倍首相は議長国として存在感を示せたとは言えない幕引きとなりました。

Full text of the G20 Osaka leaders’ declaration(外部リンク

アクション動画

横須賀、神戸、大阪でのアクション動画はこちらから。

https://www.facebook.com/NoCoalJapan/videos/343078276361527/

https://www.facebook.com/NoCoalJapan/videos/404439763746996/

https://www.facebook.com/NoCoalJapan/videos/429496971229402/

NO COAL JAPANキャンペーン

No Coal Japanキャンペーンは、世界各国の数十の市民団体が連合体を組み、日本の政府、金融機関および企業が世界各国で進めている新規石炭火力発電事業に対する支援をやめるよう求める運動です。脱石炭社会に向けた取組みを推進する国内外の市民団体が、世界各国で日本が関与する石炭火力発電所の建設計画を止めるために協力して活動しています。

日本が支援する石炭火力発電所の問題

・世界の国々が、安全で信頼性の高い再生可能エネルギーに移行する中で、日本は東南アジアやその他の地域で、数多くの石炭火力発電所の新設に対する資金提供を検討または行っています。

・日本が出資・支援する石炭事業は、日本国内で建設される発電所と比べると
極めて有害です。地域の大気汚染を悪化させ、健康被害をもたらす要因となっています。

・世界の国々が「パリ協定」の目標に向けた動きを活発化させているのに反するように発展途上国などに旧式の石炭火力発電所を建設することで、壊滅的な気候変動へと向かうのを加速させてしまいます。さらに、新規の石炭火力発電所を建設することで、受入国が再生可能エネルギーに移行することを妨げることにもなります。

パリ協定の目標達成においても重大な問題となる石炭火力発電事業。No Coal Japanは、日本が関与する石炭関連事業に関する世界各地の計画に注視しています。

関連情報

No Coal Japan:G20大阪サミット

気候ネットワーク:【プレスリリース】G20閉幕:安倍総理、気候危機解決へのリーダーシップ果たせず~日本政府は、温室効果ガス排出削減目標の引き上げ意思を示せ~(2019/6/29)

FoE Japanブログ:G20大阪サミット- 気候危機への緊急性に欠けた幕切れ

石炭火力を考える東京湾の会(横須賀火力発電建設を考える会)
神戸の石炭火力発電を考える会