No Coal,Go Green!日本の海外石炭融資にNO!

インドネシア西ジャワ州インドラマユ火力発電所建設事業に住民が建設反対を表明(2016年12月15日)

「JICAは住民の反対の声を聞き、支援しないで!」 住民がレター提出

日本が現在、建設を支援中、もしくは、支援予定のインドネシア・ジャワ島の新規石炭火力発電所の発電容量は合計6,455メガワット(MW)にものぼります(※1)。幾つかの案件では、地元住民の強い反対の声がすでにあげられてきました(※2)が、国際協力機構(JICA)の円借款が検討されている西ジャワ州インドラマユ石炭火力拡張計画1,000MW)(※3)でも、JICAの支援は不要との声が住民からあげられています。

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(写真解説)インドラマユ石炭火力発電事業の影響を受ける住民らは、12月15日、地元インドラマユ県で、地元政府に対しても環境許認可の取り消しと事業の中止を求める抗議アクションを決行した。住民約250名が抗議アクションに参加したのに対し、警察側は300名を動員。厳しい監視の下、住民は「私たちムカルサリ村の住民(農民と小エビ採取者)は、断固声を大にして拒否する!拡張発電所が建設される予定の私たちの村、私たちの土地は生産性が高く、肥沃な土地で、発電所をつくるのに適さない。JICAを拒否する!JICAは資金を投じるな!私たちの村ではJICAの資金は必要ない!」と書かれた横断幕などを掲げ、事業への強い反対を表明した。(2016年12月15日。現地より送られてきた写真)

同事業に反対する住民らは、今年に入ってから2度にわたり、JICAに対するレターを提出。漁業や農業など生計手段への影響や健康被害、また、適切な住民参加の欠如などを懸念しており、同拡張計画の中止を求めていることを説明してきました。

しかし、JICAが事業推進を前提に、インドネシア政府側の土地収用/生計回復措置の策定支援を継続しているため、住民らは12月15日付で新たなレターをJICAに送付しました。同レターでは、JICAが早急に現場に足を運び、直接住民の反対の声を聞くことが求められています。
日本政府・JICAは、地元住民の声にしっかりと耳を傾けながら、同事業のニーズや代替の電源オプションなども勘案し、同事業への融資検討を即刻止めるべきです。

以下、住民ネットワークからJICAへのレター(和訳)です。
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(同書簡の原文はインドネシア語。以下、WALHIによる英訳を和訳。)

2016年12月15日(於インドラマユ)

国際協力機構
理事長 北岡 伸一 様

表題:インドネシア西ジャワ州インドラマユ石炭火力発電事業拡張計画に関し、コミュニティーが継続して抱いている懸念について

 

私たちJATAYU(Jaringan Tanpa Asap Batubara Indramayu:インドラマユから石炭の煙をなくすためのネットワーク)は今回、貴機構が融資を検討中であるインドラマユ石炭火力発電事業拡張計画(1,000 MW)のご担当者に早急に現場を訪問していただけるよう要求するため、貴機構に再び書簡を送っています。現場を訪問していただくことで、私たちへの直接の聞き取りを行なったり、現場の真の状況を注意深く見ていただき、地権者、農民、漁民を含む私たちが、なぜ同事業を拒否しているのか、また、なぜJICAに同事業への融資や支援をこれ以上行なわないよう要求しているのか理解していただけると思います。

2016年9月5日および11月6日の私たちの村でのJICAコンサルタント・チームとの会合においても、また、2016年4月30日付および11月6日付の貴機構に対する以前の書簡においても、私たちは、生計手段(農業や漁業)への悪影響や適切な参加が確保されなかった環境影響評価(EIA:AMDAL)における違法なプロセスなど、同事業に関する私たちの意見や懸念についてすでに説明しました。私たちは自分たちの現在の生活だけでなく、将来世代のために同事業への強い反対の意思を繰り返し表明してきました。

しかし、JICAはコンサルタント・チームを通じて、PLN(インドネシア国有電力会社)の支援を続け、私たちの村で事業を進めるために、土地補償価格を含む、土地収用に関する交渉をしたり、CSRプログラムを促進したりしています。JICAは私たちの声にまったく耳を傾けず、あるいは、私たちの意見にまったく関心がなく、当初の計画どおりに活動を続けているだけのように見えます。こうした状況は実際、私たちを混乱/動揺させ、私たちの地元コミュニティーに悪影響さえ引き起こしています。

したがって、貴機構に早急に私たちの村を訪問していただき、私たちがなぜ同事業に反対しているのか、私たちの住宅地域が同事業計画地からどれだけ近接しているのか、また、それによって、私たちの生活や将来世代にどれほど大きい危険を同事業がもたらすのか、そして、同事業がどのように影響を受ける地元コミュニティーを無視し、環境法に違反してきたかについて、直接見聞きしていただきたいと私たちは思っています。

貴機構が2016年12月中に私たちを訪問していただければ大変有り難く思います。私たちはまた、貴機構がインドネシア政府やPLNを介してではなく、つまり、インドネシア政府の影響力がない形で、直接私たちと連絡をとりながら、私たちとの会合を持ったり、真の状況を見ていただければと思います。

貴機構のご配慮に感謝致します。貴機構の私たちに対するご回答を1週間以内にいただけるよう宜しくお願い致します。

(3名のJATAYUコーディネーターの署名)

Cc:
外務大臣 岸田 文雄 様
JICA環境社会配慮助言委員会各委員

(翻訳:FoE Japan)
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※1:ジャワ島の日本支援(予定)の新設石炭火力6,455メガワットのうちわけ
(1)国際協力銀行(JBIC)支援中の案件:
・中ジャワ州バタン石炭火力発電事業(2,000MW。J-POWER、伊藤忠出資)
・バンテン州ロンタール石炭火力拡張計画(315MW。住友商事EPC受注)
(2)JBIC支援検討中の案件
・中ジャワ州タンジュンジャティ石炭火力拡張計画(2140MW。住友商事、関西電力出資)
・西ジャワ州チレボン石炭火力拡張計画(1000MW。丸紅、中部電力出資)
(3)JICA支援検討中の案件
・西ジャワ州インドラマユ石炭火力拡張計画(1000MW)
※2:住民によるJBICへの異議申立て案件
・JBIC異議申立の受付・手続進捗状況 http://www.jbic.go.jp/ja/efforts/environment/disagree/progress
・西ジャワ州チレボン住民の異議申立て http://www.foejapan.org/aid/jbic02/cirebon/161110.html
・中ジャワ州バタン住民の異議申立て http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/161205.html
※3:インドラマユ石炭火力発電事業拡張計画について

詳しくは、JBICが支援する石炭火力発電所事業の概要と問題 第2部 各地の事業の問題及び地元住民・NGO等の取り組みーにインドラマユ石炭火力発電所としてファクトシートを掲載していますので、ご参照ください。