No Coal,Go Green!日本の海外石炭融資にNO!

インドネシア・バタン石炭火力 現場で掘削強行 土地未売却の地権者も農地にアクセスできず

日本が官民を挙げて推進しようとしている東南アジア最大級の「インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電所(2,000メガワット)」の建設予定地で、先週から重機による掘削等が強行されています。

現地からの報告によれば、これまで地権者が死守してきた未売却の農地にも重機により大量の土砂が入れられ、破壊されてしまった農地もある他、これまでコメの年間3期作を支えてきた灌漑設備も破壊されたため、農地が干上がり、収穫ができない可能性が出ているとのことです。また、こうした現場を毎日、インドネシア軍とみられる武装した男たちが警備しており、住民は為す術もない状況に置かれています。

これまで、農業・漁業など生計手段の喪失等を懸念する住民の根強い反対運動の結果、同事業の着工は3年間遅れてきました。また、事業予定地の約10%は今日まで、同事業に反対する地権者が売却を固辞してきており、業を煮やした事業者、および、インドネシア政府は、土地収用法(2012年制定)の適用による土地の強制収用への方針転換の意向を示してきました。

しかし、今回のような強硬手段は力に物を言わせた抑圧的かつ非人道的なやり方であり、明らかな違法行為です。仮に土地収用法が適用されるとしても、独立した鑑定士による補償額算定や国家土地庁による補償交渉等、まずは踏むべき手続きがしっかり取られるはずです。

同事業に出資している電源開発(J-Power)、および、伊藤忠、また、融資を検討中の国際協力銀行(JBIC)は、現場での違法・抑圧行為が早急に停止されるよう、しかるべき対応をとるとともに、事実関係の確認を行ない、今回の違法行為で生じた損害について、適切な回復・補償措置が講じられるよう、対応していくべきです。また、住民の合意が得られず、非合法な方法でしか推進できない同事業から、日本の官民は撤退すべきです。

以下、グリーンピース・インドネシアによる4月14日付プレスリリースの和訳を ご紹介します。

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現地NGO・プレスリリース(和訳)

バタン住民、石炭発電ではなく、食料安全保障重視の公約を遂行するようジョコ大統領に要求

 

2015年4月14日

 

ジャカルタ発――バタン巨大石炭火力発電事業は、ウジュンネゴロ、カランゲネン、ポノワレン、ウォノクルソの住民に対して、違法かつ抑圧的な手段を使いました。バタンの住民はジョコ大統領に対し、石炭ではなく、食料安全保障重視という彼の公約を守るよう要求しています。

同発電所の事業者は、事業計画地内の土地売却を拒んだ地権者への脅迫と嫌がらせを続けています。住民の農地は、同発電所の開発に関与している企業により破壊されました。さらに、コミュニティーは以前のように(灌漑用)水供給へのアクセスができなくなっています。新たな課題も浮上しています:農地へのアクセスも、3メーター以上の盛土によって妨げられました。住民は、同巨大石炭火力事業のこの最後の一手によって、自分たちの土地が干上がり、恐らく作物も実らない結果に終わるだろうと言っています。何台かの重機がすでに現場に現れ、武装した男たちが警備をしています。

「バタン石炭火力発電所の事業者のやり方は、チレボンやチラチャップといった以前の石炭火力発電事業で私たちが経験したやり方と類似しています。」と、グリーンピース・インドネシアの気候・エネルギーキャンペーン・チームリーダーのアリフ・フィヤントは述べました。「このような脅迫を住民が受けるべきではありません。私たちはこの国の法の支配を必要としています。住民が為しているのは、ただ彼らの権利と生存のための闘いなのです。」と彼は付け加えました。

バタン巨大石炭火力事業は、これまですでに建設予定地で多くの問題を引き起こしてきました。脅迫から、平和的に抗議を行なってきた住民の犯罪者への仕立て上げ、強制的な、あるいは、不正な土地収用といった人権侵害等まで、同事業には違法行為が付きまとってきました。

同事業は東南アジア最大級の(石炭火力)発電所建設になりますが、EIA(環境影響評価)に関して残された問題があり、また、地元住民が土地売却を依然として拒んできたため、着工には至っていません。過去4年間にわたり、UKPWR協会(ウジュンネゴロ、カランゲネン、ポノワレン、ウォノクルソ村)のメンバーである住民は、再三、バタンの地における発電所建設計画を拒んできました。コミュニティーのメンバーは、公のあらゆる場――海洋水産省、環境林業省、経済担当調整省、国家人権委員会、地元当局、国際協力銀行、また、日本での投資家との会合設定まで――で同発電所の拒否について決意表明をしてきました。

現在、同発電所に必要な226ヘクタールの土地のうち約10%は、依然として地権者の手の内にあり、事業者は土地収用の未解決問題と格闘し続けています。地権者は、発電所が建設されて生計手段や農地、漁業を失いたくないと、土地売却を拒んできました。バタン石炭火力発電所の予定地は、実り豊かな水田と非常に生産性の高い漁場の上に位置しています。加えて、ウジュンネゴロ-ロバンの沿岸地域は、2008年第26号の政府規定に基づき、同地域の海洋保護区に指定されています。空間計画に関する中ジャワ州規定(2010年第6号)によれば、同事業予定地の一部は海洋保護区を侵害するでしょう。

「私はバタン石炭火力発電所の建設に反対し、ビマセナ・パワー社(BPI)に私の土地を売るのを拒んだことで、7ヶ月間、刑務所に入れられました。2014年5月から12月まで刑務所にいたのです。刑務所のなかで、私は、大統領選にあたってジョコ大統領に投票するよう、私の家族全員に頼みました。というのは、大統領選中の彼の公約を信じたからです。私は、バタン石炭火力発電所に抗議している住民の声を彼が聞いてくれると思っていました。しかし現在、ジョコ大統領は住民よりも投資家を優先しているようです。しかし、それでもまだ、私はジョコ大統領が彼の公約を守り、住民の声を聞いてくれるよう期待しています。」と、カランゲネン村の地権者チャヤディ氏は述べました。「私たちは大統領にただちに私たちを救ってくれるよう要求します。」

 

連絡先:

Fiyanto Arif , Head of Climate and Energy Campaigner of Greenpeace Indonesia, 08111805373 Rahma Shofiana , Media Campaigner of Greenpeace Indonesia, 08111461674