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【報告書】国際環境NGO 年間1.04兆円の公的支援に化石燃料に投じる日本 エネルギー関連事業への公的資金の分析をまとめた報告書を発表

ワシントンD.C.―
国際環境NGOのオイル・チェンジ・インターナショナル(Oil Change International)とFoE-US(Friends of the Earth US)が5月27日に発表した報告書「Still Digging: G20 Governments Continue to Finance the Climate Crisis(仮訳ー まだ採掘を続けるのか?:G20諸国が継続する化石燃料への融資)」により、日本がパリ協定以降も、石油、ガス、石炭関連事業に対し、少なくとも年間1.04兆円(94億米ドル)の公的支援を供与していることが明らかとなりました。本報告書および日本に関する 要約版に詳細を記したように、日本の公的金融機関は、中国とカナダに次ぎ、G20諸国の中で3番目に多い金額を化石燃料に供与しています。G20諸国全体では、少なくとも年間8.3兆円(770億米ドル)の支援を行っており、この額はクリーンエネルギーに対する支援の3倍以上に相当します。

日本政府は、新型コロナ感染症(COVID-19)の対策として、かつてない規模の財政支援の準備を進めていますが、本報告書「Still Digging」は、日本の公的資金のこれまでの使われ方が、気候危機を回避するために必要なことからかけ離れていることを明らかにしています。本報告書は、日本および他のG20諸国に対し、化石燃料関連産業の支援に公的資金を費やすことをやめ、公正かつ持続可能な回復に投融資を行うことを求めています。

オイル・チェンジ・インターナショナルのシニア・キャンペーナーSusannne Wongは、次のように述べています。「日本は、気候危機を加速させ、人びとの健康を損なう時代遅れの技術に巨額の公的資金を投じ続けています。日本は、国内および国外ともに、労働者、コミュニティ、そして気候を保護・保全することにつながる化石燃料からの公正な移行(just transition)に対して公的資金の支援を振り向けなくてはなりません。政府は、パンデミックとは別の重大な危機、つまり気候変動に加担するのではなく、レジリエント(強靭)な未来に対する投融資を行うべきです。」

FoE-USのシニア国際ポリシーアナリストのKate DeAngelisは、次のように述べています。「日本は、化石燃料関連企業が人々や地球に害をもたらす事業決定を行っているにも関わらず、これらの企業への公的な金融支援を続けています。」「インドネシアのチレボン2石炭火力発電所やベトナムのギソン2石炭火力発電所のような化石燃料関連事業は、大気汚染を生じさせることによって、新型コロナウイルス感染症の症状悪化に寄与しています。日本がこの機会に自らの資金供与について熟考し、変更を行えば、健康への悪影響を深刻化させることなく、労働者に大きなリスクを負わせることもないクリーンなエネルギーを支援することができるでしょう。」

本報告書では、オイル・チェンジ・インターナショナルの「Shift the Subsidies」データベースを使用し、輸出信用機関(ECA)および開発金融機関(DFI)、さらにG20諸国が関与する国際開発金融機関(MDB)による金融支援の分析を行いました。日本の公的金融機関としては、日本貿易保険(NEXI)、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、日本政策投資銀行(DBJ)、国際協力銀行(JBIC)および国際協力機構(JICA)が対象となっています。これらは、税金および財政補助金による産業界への直接的な補助金支援には、含まれていないものです。主な調査結果は以下のとおりです。

パリ協定以降も化石燃料への支援は減少していない。

日本の公的金融機関は、石炭関連事業に対して年間4,500億円もの支援を継続している。このことは、温暖化を抑えるために必要とされている1.5℃に気温上昇を抑制する国際的な合意にまったく整合しない資金支援を行っていることを意味しています。

輸出信用機関が化石燃料に最大の公的支援を供与しているアクターとなっている。

化石燃料には、クリーンエネルギーと比して14倍近くにのぼる金融支援が輸出信用機関によって行われており、クリーンエネルギーへの支援額がわずか年間3,110億円なのに対し、化石燃料には4.3兆円が投じられています。化石燃料関連事業に年間9,000億円を供与している日本の輸出信用機関は、世界で2番目に大きな額を同関連事業に供与していることになります。

このような資金の多くは、裕福な国々に流れている。

世界銀行の分類に基づくと、上位15の受益国のうち9つは高所得国または高中所得国でした。 残りの5つは低中所得国で、1つは低所得国でした。

本報告書「Still Digging: G20 Governments Continue to Finance the Climate Crisis(仮訳ーまだ採掘を続けるのか?:G20諸国が継続する化石燃料への融資)」はこちらからご覧いただけます。本報告書には著者団体に加え、FoE Japanが賛同しています。

FoE(Friends of the Earth )は、私たちの環境を守り、健康で公正な世界をつくるために尽力しています。私たちは権力に対して真実を伝え、人々と地球を害するものを明かにします。政治家や企業の説明責任の確保、経済システムの転換、森林や海洋の保全、食料と農業システムの革命をもたらすようなキャンペーンを展開しています。

オイル・チェンジ・インターナショナルは、化石燃料の真のコストを明らかにし、クリーンエネルギーへの移行を促進することに重点を置いた調査研究、コミュニケーションおよび、アドボカシー(支援活動)を行っている団体です。

関連リンク

報告書ダウンロードはこちらから「Still Digging: G20 Governments Continue to Finance the Climate Crisis」(リンク
日本サマリー:報告書「Still Digging: G20 Governments Continue to Finance the Climate Crisis
(まだ採掘を続けるのか?:G20諸国が継続する化石燃料への融資)」発表 気候危機に加担し続ける日本(リンク
オイル・チェンジ・インターナショナル掲載記事「Why $77 billion a year in public finance for oil, gas, and coal is even worse than it sounds」(英語リンク