【プレスリリース】世界の石炭火力発電事業を推進する丸紅からダイベストメントを

【プレスリリース】

世界の石炭火力発電事業を推進する丸紅からダイベストメントを

国際環境NGO FoE Japan
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
気候ネットワーク

2017年12月に、世界的な保険大手AXAが気候変動対応コミットメントを強化して、石炭関連企業へのダイベストメントを拡大して以降、AllianzやGeneraliといった大手保険会社2社、およびその他5社がポートフォリオから石炭火力発電所の開発業者を除外すると発表したのを含め、世界中で脱炭素社会に向けたダイベストメントの対象の拡大や厳格化の動きが加速しています。同11月にドイツの国際環境NGO Urgewaldが発表した世界の石炭関連企業データベース「Global Coal Exit List [1]」はその参照に用いられており、このリストには、日本の大手電力会社等に加え、総合商社である丸紅株式会社(以下、丸紅)も含まれています。

丸紅は、日本の大手総合商社の中で、発電事業の規模が最も大きい商社であり、国内外で積極的に石炭火力発電所の建設などに関わっています。Urgewaldによると、丸紅が世界9カ国で進めている新規の石炭火力発電所の建設計画を含めた発電事業の合計は13,620MWに上り、同団体の発表した”Top 120 Coal Plant Developers “では世界第11位の計画規模を有する事業者(先進国では10位の韓国電力公社 (KEPCO) に続く2番目の規模)です。

本日(2018年7月31日)、米国の調査機関のエネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA [2]) からも、丸紅の石炭事業を分析した最新報告書『石炭火力大手の丸紅は世界的な再生可能エネルギーへの転換に応じなければならない(原題:Marubeni’s Coal Problem – A Japanese Multinational’s Power Business Is at Risk)』が発表されました。この報告書は、丸紅が石炭火力発電所の開発を含む石炭事業から完全に撤退し、世界のエネルギーシフトに貢献すれば、クリーンエネルギーにおいて世界を牽引する存在になれるだろうと示唆しています。

現在、丸紅は石炭関連事業からの投資撤退を進める金融機関が増える中、金融面および企業評価の面でより大きなリスクに直面していくことになります。既に石炭関連事業への資金調達が困難になっている企業もありますが、保険契約においても遠からず困難に直面する可能性が出ています。7月初旬、世界大手の再保険会社Swiss Reは、石炭関連事業への保険引受業務を止めると発表しました。また他の大手保険会社4社も脱石炭政策として、石炭関連事業の保険引受を行わないとしています。

この状況を踏まえ、2018年6月、気候変動問題に取り組む国内外の環境NGO21団体は、日本の商社の中で最も多くの石炭火力発電を世界で進めている丸紅からのダイベストメント(投融資引き揚げ)を検討してもらうため、情報提供および検討要請として、「丸紅株式会社からのダイベストメントを求める要請書」とともに、丸紅の石炭事業の概要を示したサマリーシートおよび国内外で多くの問題が指摘されている6つの石炭火力発電所建設計画のファクトシートを、大株主及び主要借入先銀行等39社(国内9社、海外30社)に対して送付しました。

丸紅が、石炭火力発電事業を世界各地で推進することは、脱石炭の流れに反することです。「パリ協定」のもとで世界全体の気温上昇を2℃よりはるかに下回る水準に抑えるには、新たな二酸化炭素排出源となる新規の石炭火力発電所を建設する余地はありません。また、丸紅が東南アジアや他地域の発展途上国に新規の石炭火力発電所を建設することは、その国の電力供給をこれから先数十年の間、石炭に依存させることになってしまいます。国内外の環境団体は、COP24およびその先を見据え、丸紅およびその他の石炭火力発電事業に関わる企業への支援を断念しない銀行および保険会社、機関投資家への働きかけを強めていきます。丸紅の機関投資家/資金提供者として上位に名を連ねているのは、資産運用会社BlackRock やオランダの公務員年金基金(ABP)、アメリカやオーストラリアの銀行(Citi、ANZなど)です。さらに、脱石炭の方針を掲げながらも投資撤退に踏み切れていないフランスの銀行(Crédit Agricole、BNP Paribas)も含まれています。

*要請書作成および資料の作成には、主導3団体以外にも世界各地の環境NGOなど18団体が参加しています。参加団体については要請書(PDF)をご覧ください。

[1] Urgewald, 2017: https://coalexit.org/database
[2] The Institute for Energy Economics and Financial Analysis (IEEFA) http://ieefa.org/

ダウンロードファイル/リンク

  • 丸紅株式会社からのダイベストメントを求める要請書
    サマリーシート: 「Why Marubeni: なぜ丸紅からダイベストメントする必要があるのか?」
    ファクトシート:  1. チレボン(インドシア)、2. パグビラオ (フィリピン)、3. タバメシ (南アフリカ)、4. モルプレ B (ボツワナ)、5. ギソン 2 (ベトナム)、6. 秋田港 (日本))
  • プレスリリース:IEEFA最新報告書 石炭火力大手の丸紅は世界的な再生可能エネルギーへの転換に応じなければならない(PDF)
    IEEFA 『石炭火力大手の丸紅は世界的な再生可能エネルギーへの転換に応じなければならない(原題:Marubeni’s Coal Problem – A Japanese Multinational’s Power Business Is at Risk)』(リンク

 

本件に関する問い合わせ先

国際環境NGO FoE Japan 開発と環境チームリーダー 波多江 秀枝(hatae@foejapan.org)
「環境・持続社会」研究センター(JACSES) プログラムディレクター 田辺有輝 (tanabe@jacses.org)
気候ネットワーク 理事 平田仁子(khirata@kikonet.org)