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北京市 石炭火力発電による大気汚染対策に着手

北京市は、石炭火力発電に起因する悪影響の軽減に向けた一連の対策を、数週間かけて次々と発表してきました。

2014年7月23日、新華通訊社は、既に廃止された高井火力発電所(Gaojing Thermal Power Plant)の100MWの6基を含む、北京市内4か所の大規模石炭火力発電所を2016年までに閉鎖すると伝えました。中央当局の発表によれば、北京市は、2014年末までに石炭使用量を260万トン削減し、その上、2016年末までにさらに660万トン削減する目標を掲げています。(計920万トンの削減)
2014年8月4日、北京市環境保護局はホームページで、2020年までに市内の石炭依存ゼロを目指すことを示しました。これに続き8月6日には、中国政府が高灰分・高硫黄含量の石炭の輸入制限を発表し、この規制は9月1日より施行されると述べています。

さらに、6月には、グリーンピース東アジアは、中国6省と2地域が石炭消費量を削減することを約束したと伝えました。さらに他の2省も、2017年末までに石炭使用量の増加率を2%以内に抑える目標を掲げています。これらの発表はいずれも中国東部に集中しており、これらの省および地域だけで中国全体の石炭消費量の44%を占めています。これらの地方自治体の政策は、2015年からの国家目標、すなわち、発電を石炭から天然ガスまたは非化石エネルギー源に移行し、2017年までに国内総エネルギー消費における石炭火力発電の比率を65%以下に引き下げるとの目標や、2020年までの目標である、国内総生産(GDP)あたりの温室効果ガス排出量を2005年比で40-50%削減すること、一次エネルギーに占める非化石エネルギーの使用量割合を15%まで拡大させること、という目標と一致しています。中国はさらに、長期計画として、石炭火力発電の割合を2050年までに35-40%まで削減することを目指しています。

しかし、グリーンピース東アジアによれば、前述のような地方自治体および中央政府の政策がとられている一方で、中国では石炭火力発電所が今でも平均して週1基のペースで建設されています。7月30日付のメディア報道でも、中国政府が北京のような大都市から離れた北西部など50か所に新たな石炭ガス化発電所の建設を予定していると伝えられました。グリーンピース東アジアは、この計画が実現すれば、2011年以降の中国全土における温室効果ガス排出量の約1/8に相当する量である年間11億トンのCO2が排出される可能性があると試算しています。北京で石炭使用を禁止しても、北京や他の大都市から離れた地に新しい石炭ガス化発電所を建設すれば、汚染を他の場所に移動させるにすぎません。それだけでなく、石炭ガス化発電は、水を大量に使用するため、建設地域の将来的な水質問題が懸念されます。

英国の環境NGOであるカーボントラッカーの調査によれば、10億を超える中国国民が必要とするエネルギーを供給するため、2013年には3.3億トンもの石炭が中国に輸入されましたが、輸入量は減少すると予測されています。一方、中国での石炭火力発電の需要は2015年から2030年の間にピークに達すると見越されてこともあり、国内石炭の増産を図っています。この結果、主にオーストラリアやインドネシアの石炭が、国際市場において供給過剰傾向が拡大する可能性があります。

いずれにせよ、石炭を燃焼させれば大量の有害物質が排出されます。新華通訊社の公式見解によれば、北京の大気中の粒子状物質の排出源のうち22%は石炭由来とされています。終わりの見えない中国の石炭依存による悪影響は、都市部で住民に対する大気汚染警報が毎日のように発せられていることからも明らかでしょう。

出典:

China to ban all coal use in Beijing by 2020
ジャパンタイムズ 2014年8月5日掲載記事

China plans to ban coal use in Beijing by 2020
アルジャジーラ・アメリカ(アルジャジーラ衛星チャンネル) 2014年8月5日掲載記事

China’s planned coal-to-gas plants to emit over one billion tons of CO2
グリーンピースEnergy Desk 2014年7月23日掲載記事

China Plans Bans on Imports of Coal with High Ash, High Sulfur
ブルームバーグ ニュース 2014年4月10日掲載記事

Beijing shuts down big coal-fired power plant to east smog – Xinhua
ロイター ニュース 2014年7月23日掲載記事

The Great Coal Cap: China’s energy policies and the financial implications for thermal coal, Executive Summary, Carbon Tracker,
カーボントラッカー(カーボン・トラッカー・イニシアチブ)2014年掲載報告書より

追加参照:Report Library

Top 10 Worst Cities for Smog
ドイチェ・ヴェレ 2014年3月3日掲載記事

Coal-to-Gas: The Embarrassment of Relying on Coal Price(Chinese),
Jiangsu Energy Regulatory Office of National Energy Administration of the People’s国家能源局江苏监管办公室(暫定訳:中華人民共和国 国家エネルギー局 江蘇省エネルギー規制庁) 2014年8月1日掲載記事(中国語)

Coal-to-Gas Is Not a Good Option for Regions of Water Shortage, (Chinese)
中国能源报 2014年8月4日掲載記事(中国語)

The Transformation of The Old Power Plant: from Burning Coal to Burning Gas, 新華通訊社 2014年7月25日掲載記事(中国語)

Beijing is Going to Reduce 2.6 Million Tons of Coal Use and Ban Coal Use within Urban Area, The Central People’s Government of The People’s Republic of China中央政府门户网站 2014年5月22日掲載記事(中国語)

China Plans Bans on Selling and Imports of Coal with High Ash The Central中央政府门户网站 2014年8月6日掲載記事(中国語)

The End of the Explosive Growth of Coal Consumption in China—Six Must-know グリーンピース(緑色和平) 2014年6月4日掲載記事(中国語)

『アジア太平洋気候変動適応フォーラム』 2014年10月1-3日マレーシアにて開催

『京都国際環境シンポジウム』 2014年11月5日京都にて開催
基調講演 「『東アジア低炭素共同体』構想とその具現化」
立命館大学政策科学部教授, 一般社団法人国際3E研究院院長 周 瑋生氏