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児童の権利委員会 日本政府に対し気候政策と石炭火力融資の見直しを勧告

国連の「児童の権利に関する条約」に基づいて設置される「児童の権利委員会」(※1)が、日本政府に対し、子どもの権利保護の観点から気候政策と石炭火力政策の見直しを勧告しました。

定期的に実施する条約の義務の履行の審査を行っている「児童の権利委員会」が、2月1日、政府が提出した「第4・5回日本政府報告」に関する検討を行い、その勧告を報告書(Considering Observations)にとりまとめて発表したものです。その中には、気候変動に関する項目も盛り込まれています。

温室効果ガス排出削減を含む気候政策が国際協定と整合するものであることを確保すること
政府による、他国の石炭火力への公的融資を見直し、持続可能なエネルギーへ転換することを確保すること

同委員会が、日本政府に対して、子どもの権利保護の観点から気候政策と石炭火力政策の実質的な見直しを勧告したのは初めてのことです。気候変動対策を怠ることは子どもの権利を侵害するものとして、将来の気候変動による影響を抑えるためには、膨大な温室効果ガス排出をもたらし、気候変動を深刻化させる石炭火力発電所の建設計画への公的融資方針の見直しが必要であることを明らかにしています。

この勧告によって、日本政府が子どもの権利という観点からは気候変動への対応の必要性を十分に認識しておらず、気候政策を不十分なままにしていることが浮き彫りとなりました。

同勧告に対しては、気候ネットワークがプレスリリースを発信しています。

(※1)児童の権利委員会は、児童の権利条約に基づいて設置された委員会で、18人の独立した専門家で構成される。定期的に開催され、条約による義務の実施について締約国が行った進捗状況を審査し、これらの義務をいかに果たすかについて政府に勧告する。
(※2)スウェーデンの16歳の少女が一人で始めたストライキが、スイス、ベルギーやオランダなどで、数千・数万の中高生の行動に広がっている。

Concluding observations on the combined fourth and fifth periodic reports of Japan, CRC, para 37.

(該当箇所の気候ネットワーク仮訳)

子どもの権利に対する気候変動の影響

37. 委員会は、持続可能な開発目標の13.5への注意を喚起し、政府に対し以下を勧告する。

(a) 気候変動や災害リスクマネジメントに関する政策やプログラムを開発する際には、子どもの特別な脆弱性・ニーズ、視点を確保すること

(b) 学校のカリキュラムや教員のトレーニングプログラムに組み込むことを通じて、気候変動や自然災害への子どもの意識と準備を向上させること

(c) 国際・地域・国の政策や枠組、合意を形成するために、子どもが直面する様々な災害のリスクのタイプを特定するデータを収集すること

(d) 気候を緩和する政策が、条約と整合的であることを確保すること。中でも、温室効果ガス排出削減は、国際協定と一貫性を持ち、子どもの行使、特に健康・食料・良好な生活水準の確保の権利を脅かすような水準を回避するものであること。

(e) 他国における石炭火力発電所への政府の公的融資を再検討し、それらが徐々に持続可能なエネルギーを利用した発電所へと更新されることを確保すること

(f) これらの勧告を実施する上で、二国間・多国間・地域・国際間の協力を模索すること

参考資料

日本政府「児童の権利に関する条約 第4・5回日本政府報告 (日本語仮訳)」2018年6月(外務省ホームページ)

CIEL・GIESER・気候ネットワーク「Briefing Note to the CRC Committee, in response to the List of Issues for Japan」2018年

CRC「Concluding observations on the combined fourth and fifth periodic reports of Japan」2019年2月1日

勧告に対する気候ネットワークのプレスリリース

プレスリリース「児童の権利委員会 日本政府に対し気候政策と石炭火力融資の見直しを勧告」(2019年2月10日)
[Press Release] Committee on the Rights of the Child (UN Human Rights Council) urges Japan to revise climate and coal policies