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Don’t go back to the 石炭〜石炭火力発電に反対 |石炭発電|石炭火力発電|反原発

[:ja]仙台パワーステーション石炭火力発電所 住民と事業者の間で深まる対立[:]

[:ja]

仙台パワーステーション石炭火力発電所住民と事業者の間で深まる対立

関西電力や伊藤忠商事の子会社でつくる仙台パワーステーション。仙台港に建設中の石炭火力発電所をめぐって、地元では市民団体「仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会」が昨秋発足し、様々な活動を展開しており、その経緯を本サイトの記事でもとりあげました。しかし、仙台パワーステーション側からは誠意ある回答が得られないばかりか、建設現場ではみるみると大きな発電設備が出来上がっていくのです。これには市民側の怒りは増していくばかりでした。

この3ヶ月、市民団体が活発に動き、行政や県議会を巻き込み、事業者にプレッシャーをかけ続けていきます。そして、事業者側はこれまで拒み続けてきた説明会を、工事も終わりかけた頃になってようやく開催することを決定しています。
3月8日に事業者の説明会を迎えますが、ここに至るまでの経緯をご紹介しましょう。

◆高まる住民の関心と事業者への不信感。広がる市民の連帯。

2016年12月18日、「仙台港の石炭火力発電所問題を考える会(考える会)」が発足後はじめてのシンポジウムを多賀城市民会館で開催しました。ここには、想定をはるかに上回る200人もの人が参加し、県会議員も全ての会派からの参加がありました。シンポでは、仙台パワーステーションの問題を全般的に解説するとともに、3つの重要な視点から問題が指摘されています。

① 健康影響と仙台の大気

石炭火力発電所による健康影響の問題です。大気汚染の濃度はこの数十年でずいぶんとよくなってきていますが、特にかつて東北電力が持っていた石炭火力発電所が稼働しなくなった頃を境にSOxやNOxの濃度が大幅に減ってきたことなども紹介されました。

② 懸念される蒲生干潟への影響

建設地から1kmも離れていない場所にある蒲生干潟についてです。震災後にもたくさんの生物が戻ってきて大変豊かな生態系を育んでいる希少な干潟です。仙台港に石炭火力発電所ができた場合に干潟に与える影響がどの程度のものか全く明らかにされていません。

③ 地球温暖化とパリ協定

今世紀後半には脱炭素社会を目指すこととした「パリ協定」をふまえ世界全体で「脱石炭」が広まっています。仙台に限らず、石炭火力発電所を新たに増やしてはならず、今稼働している火力発電所も一日も早く終わらせていかなければなりません。

このシンポジウムを通じて明らかになった仙台パワーステーションの石炭火力発電所の問題については、「考える会」が小冊子としてわかりやすくまとめ、WEBにもアップしました。近隣住民を中心に、シンポジウムに参加されなかった人にも印刷版が配布されています。

さらに、宮城県の地元紙・河北新報にて2016年12月16日に意見広告を掲載しています。「考える会」によるこうした広報活動によって、宮城県内でも関心が高まりつつあるのです。

河北新報意見広告

2016年12月16日河北新報に掲載した意見広告

◆県議会が公聴会開催を求める請願に全会一致で採択

仙台港の石炭火力発電所問題を考える会では、12月14日、宮城県議会議長宛に「仙台パワーステーション建設問題に関する公聴会の開催を求める請願書」を提出して受理されました。この請願には、与野党全会派の紹介議員の署名をもらい提出されています。そして、今年になってから1月17日、宮城県議会生活環境農林水産委員会に付託された請願は、「趣旨採択」となりました。さらに、2月20日の本会議で採択されています。

請願がこのような形で全会派の賛同を得て、そして無事に採択されるという事例は非常にめずらしく、いかにこの問題に対して県議会が市民の立場に共感したかということがわかります。

請願が委員会で趣旨採択された翌週、東北放送の報道番組でもこの問題が取り上げられ、詳しく紹介されています。

仙台パワーステ-ションは方針一転。説明会開催へ。

「公聴会」に向けた請願が採択される直前、仙台パワーステーションはこれまでの方針を一転し、住民に対しての説明会を開催すると伝えてきました。しかし、届いたのは開催日のわずか15日前です。会場は夢メッセという施設で、平日の夜に一度きりしか予定されていません。会場そのものは500人入る大ホールなので、参加者が少なければ多くの人が関心を持っていないとされて、事業をそのまま実施する理由にされかねません。そこで、住民側は、事業者説明会のチラシを作成し、近隣の人たちに配布していったのです。

仙台PS事業者説明会チラシ(印刷用・モノクロ)

市民がつくった事業者説明会チラシ

◆地域住民への説明会(仙台パワーステーション公式ウェブサイトより抜粋)

ちなみに、仙台パワーステーションはWEBサイトを2月中旬に開設して、「事業概要や環境への取組み等について、地域住民の方への説明会を開催いたします。」と掲示していますが、これで広報しているというのですから驚きです。新しくできたばかりのサイトを宣伝もしないで一体誰が見ているというのでしょうか。

<説明会情報>
開催日時:2017年3月8日【水】18:30~20:00 【受付開始18:00】
場  所: 夢メッセみやぎ 本館会議棟1階 (大ホール)
説明会に関する問い合わせ先:株式会社関電エネルギーソリューション
サポート本部 総務部 広報グループ
TEL:050-7105-0147

◆これからの事業者の対応にも注目

事業者側の予定では、3月中には建設が完了し、6月から火入れ、10月には営業運転と公表されています。でも本当に、このように住民が納得しないままで本当に予定どおり動かすつもりなのでしょうか。環境省では、環境アセスメント法の対象外の「小規模火力発電所」でも自主アセスをすることが望ましいと推奨し、今月にも実務集をとりまとめました。仙台パワーステーションも、まずは自主アセスのステップを今からでもとるべきだというのが、住民側の一致した考えなのです。事業者の対応には今後全国の目を向けていく必要があるでしょう。

これまでの経緯(前回のまとめ以後)

<宮城県議会>

[:en]

仙台パワーステーション石炭火力発電所住民と事業者の間で深まる対立

関西電力や伊藤忠商事の子会社でつくる仙台パワーステーション。仙台港に建設中の石炭火力発電所をめぐって、地元では市民団体「仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会」が昨秋発足し、様々な活動を展開しており、その経緯を本サイトの記事でもとりあげました。しかし、仙台パワーステーション側からは誠意ある回答が得られないばかりか、建設現場ではみるみると大きな発電設備が出来上がっていくのです。これには市民側の怒りは増していくばかりでした。

この3ヶ月、市民団体が活発に動き、行政や県議会を巻き込み、事業者にプレッシャーをかけ続けていきます。そして、事業者側はこれまで拒み続けてきた説明会を、工事も終わりかけた頃になってようやく開催することを決定しています。
3月8日に事業者の説明会を迎えますが、ここに至るまでの経緯をご紹介しましょう。

◆高まる住民の関心と事業者への不信感。広がる市民の連帯。

2016年12月18日、「仙台港の石炭火力発電所問題を考える会(考える会)」が発足後はじめてのシンポジウムを多賀城市民会館で開催しました。ここには、想定をはるかに上回る200人もの人が参加し、県会議員も全ての会派からの参加がありました。シンポでは、仙台パワーステーションの問題を全般的に解説するとともに、3つの重要な視点から問題が指摘されています。

① 健康影響と仙台の大気

石炭火力発電所による健康影響の問題です。大気汚染の濃度はこの数十年でずいぶんとよくなってきていますが、特にかつて東北電力が持っていた石炭火力発電所が稼働しなくなった頃を境にSOxやNOxの濃度が大幅に減ってきたことなども紹介されました。

② 懸念される蒲生干潟への影響

建設地から1kmも離れていない場所にある蒲生干潟についてです。震災後にもたくさんの生物が戻ってきて大変豊かな生態系を育んでいる希少な干潟です。仙台港に石炭火力発電所ができた場合に干潟に与える影響がどの程度のものか全く明らかにされていません。

③ 地球温暖化とパリ協定

今世紀後半には脱炭素社会を目指すこととした「パリ協定」をふまえ世界全体で「脱石炭」が広まっています。仙台に限らず、石炭火力発電所を新たに増やしてはならず、今稼働している火力発電所も一日も早く終わらせていかなければなりません。

このシンポジウムを通じて明らかになった仙台パワーステーションの石炭火力発電所の問題については、「考える会」が小冊子としてわかりやすくまとめ、WEBにもアップしました。近隣住民を中心に、シンポジウムに参加されなかった人にも印刷版が配布されています。

さらに、宮城県の地元紙・河北新報にて2016年12月16日に意見広告を掲載しています。「考える会」によるこうした広報活動によって、宮城県内でも関心が高まりつつあるのです。

河北新報意見広告

2016年12月16日河北新報に掲載した意見広告

◆県議会が公聴会開催を求める請願に全会一致で採択

仙台港の石炭火力発電所問題を考える会では、12月14日、宮城県議会議長宛に「仙台パワーステーション建設問題に関する公聴会の開催を求める請願書」を提出して受理されました。この請願には、与野党全会派の紹介議員の署名をもらい提出されています。そして、今年になってから1月17日、宮城県議会生活環境農林水産委員会に付託された請願は、「趣旨採択」となりました。さらに、2月20日の本会議で採択されています。

請願がこのような形で全会派の賛同を得て、そして無事に採択されるという事例は非常にめずらしく、いかにこの問題に対して県議会が市民の立場に共感したかということがわかります。

請願が委員会で趣旨採択された翌週、東北放送の報道番組でもこの問題が取り上げられ、詳しく紹介されています。

仙台パワーステ-ションは方針一転。説明会開催へ。

「公聴会」に向けた請願が採択される直前、仙台パワーステーションはこれまでの方針を一転し、住民に対しての説明会を開催すると伝えてきました。しかし、届いたのは開催日のわずか15日前です。会場は夢メッセという施設で、平日の夜に一度きりしか予定されていません。会場そのものは500人入る大ホールなので、参加者が少なければ多くの人が関心を持っていないとされて、事業をそのまま実施する理由にされかねません。そこで、住民側は、事業者説明会のチラシを作成し、近隣の人たちに配布していったのです。

仙台PS事業者説明会チラシ(印刷用・モノクロ)

市民がつくった事業者説明会チラシ

◆地域住民への説明会(仙台パワーステーション公式ウェブサイトより抜粋)

ちなみに、仙台パワーステーションは簡単なWEBサイトを2月中旬に開設して、「事業概要や環境への取組み等について、地域住民の方への説明会を開催いたします。」と掲示していますが、これで広報しているというのですから驚きです。新しくできたばかりのサイトを宣伝もしないで一体誰が見ているというのでしょうか。

<説明会情報>
開催日時:2017年3月8日【水】18:30~20:00 【受付開始18:00】
場  所: 夢メッセみやぎ 本館会議棟1階 (大ホール)
説明会に関する問い合わせ先:株式会社関電エネルギーソリューション
サポート本部 総務部 広報グループ
TEL:050-7105-0147

◆これからの事業者の対応にも注目

事業者側の予定では、3月中には建設が完了し、6月から火入れ、10月には営業運転と公表されています。でも本当に、このように住民が納得しないままで本当に予定どおり動かすつもりなのでしょうか。環境省では、環境アセスメント法の対象外の「小規模火力発電所」でも自主アセスをすることが望ましいと推奨し、今月にも実務集をとりまとめました。仙台パワーステーションも、まずは自主アセスのステップを今からでもとるべきだというのが、住民側の一致した考えなのです。事業者の対応には今後全国の目を向けていく必要があるでしょう。

これまでの経緯(前回のまとめ以後)

  • 2016年12月16日 河北新報に意見広告を掲載
  • 2016年12月18日 シンポジウム「みんなで考えよう!仙台港の石炭火力発電所建設問題 ~知らなかった!!蒲生干潟のすぐそばに建つなんて~」開催(資料)
  • 2017年 1月15日 小冊子「蒲生干潟のすぐそばで、石炭火力発電所建設工事進む!」作成
  • 2017 年2月13日 仙台パワーステーションに対しての再質問
  • 2017年 2月15日 宮城県村井知事への申し入れ
  • 2017年 2月20日 仙台PSから事業者説明会の案内を受け取る
  • 2017年 3月 2日  仙台PSから再質問への回答に時間がかかるとの紙を受け取る
  • 2017年 3月 8日  事業者説明会開催

<宮城県議会>

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