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【プレスリリース】日米首脳会談では石炭推進の協力体制が進むのか

米国のフロリダ州で日米首脳会談が開催されている。本会談の最優先議題は北朝鮮の核兵器及び弾道ミサイルの放棄であるが、両首脳の共通の関心テーマである石炭についても議論が進む可能性がある。

安倍首相とトランプ米大統領は2017年11月の日米首脳会談の際、サブサハラアフリカ及び東南アジア地域を含む多くの途上国において、石炭火力発電の建設を推進することに合意した。日本は、トランプ大統領が提唱するコールアライアンスの候補国のひとつとみなされており、従来よりもわずかに「クリーン」な石炭関連技術の開発を共同で進めようとしている。トランプ大統領はこのアライアンスへの日本の参加を促進する機会として、この首脳会談を利用する可能性がある。

トランプ大統領は石炭の推進を臆することなく表明している。トランプ政権は、石炭火力発電所の利用及び、石炭採掘のための連邦所有地の開放を規制してきた「クリーンパワープラン」を緩和させ、結果、米国の石炭輸出を復活させた。

日本は石炭資源の最大輸入国の1つであると同時に、世界中の石炭火力発電事業のための最大資金提供者の1つである。2013年から2015年の間に日本が石炭事業に提供した資金額は年間20億米ドルを超え、これは中国に次ぐ規模だった。2003年以降、日本の3つの公的金融機関である国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)、 日本貿易保険(NEXI)は、計35ギガワットを超える石炭火力発電事業を支援しており、それらの発電所の年間温室効果ガス排出量は年間約2億トンと想定される。

本首脳会談について、Friends of the Earthアメリカ(FoE US)の国際政策アナリストであるKate DeAngelis(ケイト・デアンジェリス)は、「フロリダでは石炭推進に向けて両首脳が騒ぎ立てるかもしれないが、フロリダの住民と世界中の人々は気候変動問題に取り組む。トランプ氏と安倍氏は、石炭は時代遅れの過去のエネルギーであり、再生可能エネルギーこそが今日のエネルギーであるということを学ばなければならない。日米は石炭産業を支援する代わりに、革新的な再生可能エネルギーの技術開発や関連分野の職業訓練の拡充のために資金を投じるべきだ」と述べた。

また、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)のプログラム・ディレクターである田辺有輝は、「トランプ大統領が提案する石炭推進のアライアンスへの参加は、日本にとって国際的な評判を落とすことになりかねない。むしろ安倍首相は、米国のベストパートナーとして、トランプ大統領がパリ協定に戻るよう説得し、自らも石炭事業への公的資金の提供やめる責任がある」と述べた。

本件連絡先:
(英語)Friends of the Earth U.S. 担当:Kate DeAngelis
電話:202-222-0747 メール:kdeangelis@foe.org
(日本語)「環境・持続社会」研究センター(JACSES) 担当:田辺有輝
電話:03-3556-7325 メール:tanabe@jacses.org