【緊急声明】パリ協定に逆行し続ける日本の官民に再び抗議 丸紅と韓国電力公社、ベトナムで新たな石炭火力発電所建設へ

2017年11月13日

国際環境NGO FoE Japan
気候ネットワーク
メコン・ウォッチ
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
350.org Japan

11月1日、丸紅と韓国電力公社のコンソーシアムは、ベトナムのギソン2石炭火力発電所(600MW×2基、超臨界圧)建設のコンセッション契約をベトナム政府と締結した(※1)。

折しも6日からドイツ・ボンで国連気候変動交渉会議(COP23)が行なわれている。新たな石炭火力発電所の建設はパリ協定に逆行し、許されるべきではない。先週もCOP23の会場で世界各国のNGOが、国内外で石炭火力発電所の新規建設を進める日本を名指しで非難する抗議活動が行なわれた。

計画はベトナム・タインホアのギソン工業団地において、600MWの超臨界圧の石炭火力発電所2基を建設するもの。11月8日には、ベトナム電力公社(EVN)と25年の電力販売契約(PPA)が結ばれた(※2)。融資契約はまだ締結されていないが、日本の国際協力銀行(JBIC)や日本の大手民間銀行が融資を供与することが懸念されている。

国連環境計画は今年の排出ギャップレポートの中で、パリ協定の1.5度目標達成のために、新たな石炭火力発電所の建設は許されず、既存の石炭火力発電所も廃止していく必要があると発表したばかりである(※3)。

さらに、使用される予定の技術は超臨界圧で、JBICなど輸出信用機関のためのOECD合意でも融資対象外となっている(※4)。 このような効率の低い大規模石炭火力発電プラントはなおさら許容されるものではない。

また、一般的にベトナムでは、こうしたプロジェクトに関する情報の公開が不十分で、環境社会配慮の観点からも問題が多い。ギソン2石炭火力発電所についても、環境アセスメントが依然公開されておらず、ベトナムの市民社会はどのような技術を使った石炭火力発電所が計画されているのか知りえないとのことだ。

ベトナムでは大気汚染の問題も深刻化しており、石炭火力発電所からの排出も一因となっている(※5)。石炭火力発電所由来の大気汚染が早期死亡率につながっていることも報告されている。現在の計画を進めるとベトナムでは2030年までにASEAN諸国の中で最も汚染された国となり、大気汚染による早期死亡者の数は年間2万人にのぼると推定されている(※6)。

世界が脱炭素化に向かう中、人々の健康や生活に多大な影響を与え、気候変動目標とも整合性がない石炭火力発電所の新規建設への投融資を日本の官民は直ちに中止すべきである。JBICや民間銀行はギソン2石炭火力発電所への融資を検討するのではなく、世界の公的かつ民間銀行がすでに採用している石炭火力発電所への支援を行なわない融資方針を真剣に検討すべきときにきている。

■ギソン2石炭火力発電所について (※7)
概要:二基の600メガワットの超臨界圧建設
出資:丸紅 (50%)、韓国電力公社(KEPCO) (50%)
民間融資(未定):DBS、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、OCBC、三井住友銀行、Standard Chartered
公的融資(未定): 国際協力銀行(JBIC)、韓国輸出入銀行(KEXIM)
総工費:26億7千万米ドル
融資割合:80パーセントが融資(約20億米ドル)

本件についての連絡先:国際環境 NGO FoE Japan(担当:深草)
+49-152-2674-4324 (11/2-11/27) /fukakusa@foejapan.org

<注釈>
※1 https://ijglobal.com/articles/130779/concession-contracts-signed-for-nghi-son-2-coal-fired-plant
※2 http://www.pfie.com/ap-vietnam-nghi-son-2-ipp-finally-signs-ppa/21316273.article
※3 https://www.unenvironment.org/resources/emissions-gap-report
※4 http://www.oecd.org/officialdocuments/publicdisplaydocumentpdf/?cote=TAD/PG(2015)9/FINAL&docLanguage=En
※5 https://e.vnexpress.net/news/news/hanoi-air-is-unsafe-most-of-the-time-coal-plants-blamed-3638973.html
※6 http://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/acs.est.6b03731
※7 注釈1、2を参照のこと

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