ミャンマー・石炭火力発電 カレン州でも市民団体が抗議声明

※この抗議声明は特定非営利活動法人メコン・ウォッチからの転載です。

ミャンマー・石炭火力発電>カレン州でも市民団体が抗議声明

(メコン河開発メールニュース2017年9月26日)

これまで、東洋エンジニアリングの関連企業、トーヨータイ社がモン州アンディンで計画している石炭火力発電所について、住民から強い反対運動が起きていることをお伝えしてきました。(メコン・ウォッチ リンク

同社は、その後、隣のカレン州パアンでも事業計画を打ち出し、そこでも住民と同国市民社会の強い反対にあっています。6月に企業が開催した公聴会の直後の6月21日に、カレン州およびミャンマー国内の計147団体によって発出された抗議声明を以下にご紹介します。

声明は、公聴会自体の問題や事業評価を批判、情報公開がなされなかったことに対し、地元の民族の権利の侵害であるとしています。また、事業地がカレン民族同盟(KNU)とミャンマー政府、2つの勢力の行政権下にある領域内に位置しており、和平プロセスへも影響すると主張しています。

カレン州の33の市民団体およびミャンマー国内の114の市民団体による抗議声明(PDF)

声明

2017 年 6 月 21 日

トーヨータイ社(TTCL)は、超々臨界圧(USC)技術を用いて1,200 MW 以上を発電する石炭火力発電所について、2017年6月19日から2017年6月21日まで、カレン州 Wut Gyi 村、Eu Dawn 村、および、Hpa-an にて公聴会を開催しました。この問題に関して、カレン州の33の市民団体(CSO)は、ミャンマー国内の114 の市民団体とともに、TTCL社の石炭火力発電所、および、公聴会に抗議する声明をここに発表いたします。

1) 石炭火力発電所事業の公聴会は、[行動・選択の]自由と透明性が求められます。 加えて、当事業はカレン州のすべての人に関係するものであるため、カレン州のすべての人が公聴会の開催前に、TTCL社の公聴会の計画、日時、場所について周知されるべきです。[しかし実際には自由と透明性は保証されず、また、公聴会は3 か所に限定されていた。]さらに、石炭発電所に関して提示・配布された情報は、意味ある参加型の公聴会として決して十分ではありませんでした。

2) 州政府と TTCL 社間で覚書(MOU)が締結された後、石炭発電所事業を開始するために、事業評価は[公聴会の]何ヶ月も前に実施されていました。しかし、事業評価と実施活動は、市民に対して速やかに公表されませんでした。私たちは、それを地元の民族の権利の侵害であると考えます。

3) コンサルタント会社 ERM は、ミャンマー政府と国際金融公社(IFC)が課した環境影響評価(EIA)ガイドラインに従って、EIA を準備しています。しかし、当ガイドラインは、巨大開発プロジェクトに適さず、かつ不十分です。

4) 当事業地は、カレン民族同盟(KNU)とミャンマー政府の行政権下の領域内に所在するため、当事業は平和構築期間中の和平プロセスを大きく損なうことになります。

5) 公聴会で TTCL 社は Wut Gyi 村の人々に対して、クリーンコールテクノロジーは 100%以上の確実性で環境に影響を与えないと働きかけました。このような行為は、明らかに市民に対する狡猾なロビー活動です。

6) 連邦制を構築するために、新政府は、特に[現時点では]安全で確実かつ強力な政策や法律が存在しないことからも、巨大開発計画を実施すべきではありません。

7) 私たちは、エネルギー開発として、再生可能エネルギーや技術などの、より実用的で持続可能な自立型エネルギー開発ではなく、環境と社会の安全を脅かす石炭火力発電所を選ぶという、州政府の選択に強く反対いたします。

(文責・翻訳 メコン・ウォッチ)