STOP 日本の化石燃料融資にNO!

インドネシア西ジャワ州インドラマユ石炭火力発電事業拡張計画 住民が JICAとの緊急会合を要請

現在、国際協力機構(JICA)の円借款供与が検討されている西ジャワ州インドラマユ石炭火力拡張計画(1,000MW)に関し、1月6日、住民ネットワークがJICAに再度レターを提出し、ジャカルタで早急に会合を持つよう要請しました。住民らは先月もJICAにレターを提出。住民の反対の声を直接聞くため、JICAが現場を訪問するよう要求していました。しかし、JICAからは一切回答がありませんでした。

一方、同事業の土地収用過程で軍・警察関係者の関与が常態化していたり、先月下旬には、土地収用対象の地権者が土地売却の合意を強要されたりするなど、現場の状況は悪化の一途を辿っています。

こうした状況から、住民ネットワークはJICAに直接そうした現状を伝え、自分たちの反対の声を伝えようと、今回のレターで1月末の会合を申込みました。

JICAは現在、事業推進を前提に、インドネシア政府側の土地収用/生計回復措置の策定支援を継続していますが、JICAはまず、住民のレターに回答した上で、住民の懸念・意見を直接聞く機会を早急に設けるべきです。

以下、住民ネットワークからJICAへのレター(和訳)です。
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(同書簡の原文はインドネシア語。以下、WALHIによる英訳を和訳。)

2017年1月6日(於インドラマユ)

国際協力機構
理事長 北岡 伸一 様

表題:インドネシア西ジャワ州インドラマユ石炭火力発電事業拡張計画に関するJICAとの緊急会合の要請について

私たちJATAYU(Jaringan Tanpa Asap Batubara Indramayu:インドラマユから石炭の煙をなくすためのネットワーク)は、インドラマユ石炭火力発電所拡張計画に関してコミュニティーが継続して抱いている懸念について、2016年12月15日付の書簡を貴機構に送付し、2016年12月中に貴機構における同事業のご担当者が現地訪問を早急にされるよう要請しました。それによって、貴機構が直接私たちから聞き取りをし、地元レベルでの実際の状況を注意深く見ていただくことができると考えたからです。

しかしながら、私たちはそれ以来、今日まで貴機構からのご回答を一切受け取っていません。私たちが2016年12月に貴機構のご回答を待っている間、同事業に係る土地収用プロセスにおいて深刻な問題が起きました。そうした状況について、私たちはJICA環境社会配慮ガイドラインに違反していると考えます。たとえば、地権者のなかには、PLNと関連機関が提示した土地補償価格について不満があったにもかかわらず、軍や警察の存在に対する恐怖の念から、同補償価格の合意書に署名を強要された人たちがいました。また、同事業のために自身の土地を売却することを拒否している地権者のなかには、軍や警察の同行の下、PLNが家にやって来た人たちもいました。こうしたことについて、地権者は恐怖を感じ、精神的なプレッシャーとなっています。

こうした状況から、私たちは早急にこれらの問題について貴機構に説明し、話し合いをさせていただきたいと考えています。また、私たちがなぜ同事業を強く拒否し、JICAにこれ以上、同事業への融資や支援をしないよう要求しているのか、その理由も説明させていただきたいです。

したがって、私たちはジャカルタの貴機構事務所を1月30日もしくは31日に訪問し、貴機構における同事業のご担当者と会合を持たせていただきたいと考えています。貴機構のご都合のよろしい日時を2017年1月20日までにお知らせいただければ大変幸いです。貴機構が私たちと会合を持つ際には、インドネシア政府やPLNの仲介がない形で、つまり、インドネシア政府の影響力のない形で、私たちと直接やりとりするよう提言します。

私たちは、貴機構が同事業に関して新たな決定をする前に私たちの意見を聞くべきであると考えており、貴機構がこの私たちからの緊急会合の要請を受け入れてくださるよう願っております。貴機構の決定はよい影響であれ、悪い影響であれ、インドラマユのコミュニティーに何らかの影響を及ぼします。その点について、私たちは貴機構に留意していただきたいと思います。

貴機構のご配慮に感謝致します。貴機構の私たちに対するご回答を宜しくお願い致します。
(3名のJATAYUコーディネーターの署名)

Cc:
外務大臣 岸田 文雄 様
JICA環境社会配慮助言委員会各委員