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【緊急声明(2015年11月18日10時)】OECD加盟国が石炭火力発電に対する公的支援規制に合意 ~一歩前進も、気候変動2度目標達成には程遠い水準~

 【 緊急声明(2015年11月18日10時) 】
OECD加盟国が石炭火力発電に対する公的支援規制に合意
~一歩前進も、気候変動2度目標達成には程遠い水準~

発信者:「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
気候ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan

11月17日、パリで開催されていたOECD輸出信用・信用保証部会の会合にて、海外の石炭火力発電事業に対する公的支援の規制が合意された。今回の合意は、OECDが温室効果ガスの主要排出源の一つである石炭火力発電の新設を国際的に規制するという流れを作り出した重要な一歩となった。

しかし、合意では亜臨界圧や超臨界圧(SC)の石炭火力発電事業に対する支援を低所得国の中小規模案件に限定している一方、超々臨界圧(USC)の石炭火力発電事業を支援対象として全面的に認めてしまっている。超々臨界圧(USC)であっても、天然ガス火力の約2倍の炭素排出をもたらすことから、建設後数十年間運転することを想定すれば温室効果ガスの大量排出は避けられず、気温上昇を2度未満に抑えるとする国際目標を実現するには、程遠い内容である。したがって、今後、石炭火力発電の支援を原則対象外とするよう早期の改訂が必要である。

また、今回のOECD輸出信用・信用保証部会での議論は、OECDアレンジメント対象の輸出信用案件を対象としているが、海外の石炭火力発電に世界最大の公的支援を続けてきた国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)が2007年~2014年に支援した石炭火力発電事業のうち、OECDアレンジメント対象案件となるのは約1割に過ぎない。今回の合意が、OECDアレンジメントの対象案件のみに適用されるようなら、規制は極めて限定的なものに留まることが懸念される。日本政府は、今回の合意を受け、非OECDアレンジメント対象案件においても非効率な石炭火力発電を支援することがないよう、JBIC及びNEXIの支援スキーム全体に適用することが必要である。

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【緊急声明(2015年11月18日10時)】
OECD加盟国が石炭火力発電に対する公的支援規制に合意~一歩前進も、気候変動2度目標達成には程遠い水準~ (PDF)

本件に関するお問い合わせ先:

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)/田辺:03-3556-7325、tanabe@jacses.org
気候ネットワーク/平田・鈴木:03-3263-9210、tokyo@kikonet.org
国際環境NGO FoE Japan/波多江:03-6909-5983、hatae@foejapan.org