STOP 日本の化石燃料融資にNO!

インドネシア・バタン石炭火力 ジャカルタ・大統領官邸前で住民らが抗議アクション 「バタン石炭火力の建設中止を」

電源開発(J-Power)、伊藤忠が出資を決め、国際協力銀行(JBIC)、民間銀行団が巨額の融資を検討中の「インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電事業」の建設予定地では、懸案であった土地収用の決着がついていないにもかかわらず、4月上旬からインドネシア国軍の重機による整地作業が強行されています。
(詳細はこちら⇒ https://sekitan.jp/jbic/?p=985

6月3日、これまで4年間、農業や漁業など生計手段の喪失等を懸念し、根強い反対運動を続けてきた住民グループが、グリーンピース・インドネシアとともに、インドネシア首都ジャカルタの大統領官邸前で抗議アクションを決行。整地作業が国軍により始められている実態を批判し、ジョコ・ウィドド大統領に同石炭火力発電所の建設を中止するよう求めました。

※抗議アクションの様子は、こちらのYoutubeサイトでご覧ください。
「Stop Dirty Energy, Go Renewable(環境汚染エネルギーを止め、再生可能エネルギーへの移行を)」
 ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=4faD9woIoq8&feature=youtu.be (英訳付)

大統領官邸前に並べられた農民の帽子と鍬は、バタン石炭火力発電所の建設と引換えに、何千人もの住民の生計手段や未来が失われてしまうことを示しています。

写真: 大統領官邸前の抗議アクション(2015年6月3日撮影、グリーンピース提供)

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Indonesia Anti Dirty Energy 3

インドネシア国軍法では、国軍のビジネスへの参加は明確に禁じられています。また、そもそも、民間企業でも十分に行なえる整地作業を国軍が行なう必要性はまったくありません。住民の社会的合意が得られず、昨年6月には「不可抗力宣言」を出さざるをえず、また、現在は、非合法な形でしか推進できないような同事業から、日本の官民は撤退を考えるべきときにきています。

以下、グリーンピース・インドネシアのプレスリリース(和訳)をご紹介します。
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ジョコ・ウィドド大統領
環境汚染エネルギーを止め、再生可能エネルギーへの移行を

2015年6月3日

ジャカルタ発 ― 今日、バタン県住民は、バタン石炭火力発電所の建設に反対する平和的な抗議アクションを行ないました。同アクションは、汚染者らではなく住民の声を聞き、バタン石炭火力発電所を止めてほしいというコミュニティーのメッセージをジョコ・ウィドド大統領に届けることを目的としています。アクションでは、数百の帽子と鍬がシンボルとして使われました。住民は、環境汚染エネルギーの推進者ではなく、住民の声を聞くよう、ジョコウィ大統領に呼びかけました。また、バタンの石炭火力発電事業を中止し、よりクリーンなエネルギー源で発展に必要な電力ニーズを満たすよう、大統領に要請しました。

バタン県住民は、ジョコ・ウィドド大統領が彼らの声と要望を聞き、考慮してくれることを期待し、大統領官邸前で彼らの要望を直接表明しました。住民は、国民の福祉を優先し、インドネシアの食料主権を達成し、エネルギー主権を実現するというジョコウィ大統領の選挙期間中の約束を果たすよう望んでいます。

「バタン県でジョコウィ大統領が選挙期間中に約束したとおり、私たちの声を聞いてもらたいです。私は自分の土地で、いつまでも農業をし続けます。私が石炭火力発電事業に反対している理由は、チラチャップやチレボン、ジェパラといった石炭火力発電所の周辺に暮らす農民、漁民と同じような悲惨な経験をしたくないからです。」カランゲネン村のチャヤディ氏はこう述べました。

バタン県住民は4年間、この発電所の建設を回避するため、さまざまな活動を行なってきました。25回のアクションに加え、彼らは経済担当調整大臣府や海洋水産省、国家人権委員会、国会議員、環境林業省とも会合を持ち、最近では、日本を訪問し、彼らの反対の意をJ-Power、伊藤忠といった同事業を受注した日本企業にも伝えてきました。また、この巨大事業の融資を検討している国際協力銀行(JBIC)とも直接会合を持ちました。

カランゲネン村、ロバン村、ウジュンネゴロ村、ウォノクルソ村、ポノワレン村というバタン県の5つの村の住民が、同事業の影響を受けることになります。事業予定地の226ヘクタールには、生産性の高い農地、灌漑の整備された水田、ジャスミン畑、天水田があります。発電所は、サンゴ礁が豊かで、ジャワ島北部の漁場となっているウジュンネゴロ=ロバン海洋保護地域に建設される予定です。

グリーンピース・インドネシアの気候・エネルギーキャンペーナーであるアリフ・フィヤント氏は、次のように述べています。「バタン石炭火力発電所は、食料主権を脅かし、インドネシアの農業を衰退させ、気候変動を加速化させる可能性があります。この事業は、農民、漁民、また、農業や漁業に生活の糧を依存する他の住民ら数千人の生計手段を脅かします。」

「インドネシア国民への電力供給を目的として、政府が何十万人もの現地住民の生計手段や健康、また、地球の安定した気候を危険にさらす必要はありません。その代わり、インドネシアは、安全でクリーンな再生可能エネルギーを利用できる機会を大事にすべきです。」

「政府が石炭のような環境汚染を引き起こす化石燃料に依存し続け、豊富で持続可能、かつ、クリーンな再生可能エネルギーの潜在性を無視し続ける限り、インドネシアのエネルギー主権は達成されることはないでしょう。」

「石炭火力発電所の建設は、ジョコ・ウィドド大統領の『Nawacita』ビジョン(訳者注:サンスクリット語で「9つの国家優先プログラム」を意味する)の一つである食料主権に反します。いま、ジョコ・ウィドド大統領は、気候変動の最大の要因でもある石炭ではなく、より安全、かつ、より持続可能でグリーンなエネルギー源を選択することで、エネルギー革命を牽引していくときです。」

連絡先:

Arif Fiyanto, Climate and Energy Campaigner of Greenpeace Indonesia, 08111805373
Rahma Shofiana, Media Campaigner of Greenpeace Indonesia, 08111461674

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※バタン石炭火力発電事業の詳細については、こちらをご覧下さい。
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/index.html
※バタン石火・インドネシア大統領に中止を求めるオンライン署名も継続中です!(和訳