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【データベース公開】New Coal Plants Endanger the Planet:新規石炭計画が地球を滅ぼす

New Coal Plants Endanger the Planet:新規石炭計画が地球を滅ぼす
ドイツの環境NGOウンゲバルトが新たなデータベースを公開

ウルゲバルト(Urgewald)メディアリリース
2017年6月29日、ベルリン

新しいデータベースにより世界の大手石炭火力発電開発事業者が明らかに

  • 120社が気候変動の悪化の道を推し進めている
  • 特に33の石炭“開拓”国に多数の石炭火力発電所の新規計画が集中
  • 銀行と投資家向けの今後の投資のための初のダイベストメント・ツール

2017年6月29日、ドイツの環境NGOのウルゲバルト(Urgewald)とその協力団体は、世界の石炭火力発電設備の拡大計画を進める第一線にいる企業を明らかにしました。
ウルゲバルトが過去に行った詳細調査の結果は、ノルウェー政府年金基金およびアリアンツ保険株式会社が石炭からのダイベストメント(投資撤退)を行う上で大きな影響を及ぼしています。

現在、62ヶ国で1,600を超える新規の石炭火力発電所が計画段階または開発前段階にあります [1]。これらが建設されれば、世界全体の石炭火力発電設備容量は8億4千万kW(840GW)以上増加することになり、「これらの計画が進んで企業の新規石炭インフラの過剰建設が進めば、地球の気温上昇を2℃未満に抑えようとする我々の努力は無に帰する恐れがあります。」とウルゲバルトのディレクターであるHeffa Schueckingは述べています。「我々が調査を開始した時点で、多くの銀行と投資家は、どの企業が世界の石炭発電所開発を最も進めているのかを把握していませんでした。我々の新しいデータベースはどの企業が世界中どの石炭火力発電所計画を進めているかを明らかにしており、情報ギャップを埋めるものです。このデータベースは、銀行や投資家が初めてダイベストメントに前向きに取り組む際のツールであり、我々はこの情報がより多くの人々に活用されることを願っています。」

ウルゲバルトはデータベースをウェブページ(https://coalexit.org/)に公開し、上位120社が世界中で計画されている新規の石炭火力発電所の3分の2について責任を負っていることを示しました。これら120社の計画をすべて合わせると、5億5千万kW(550GW)を超える規模の新規石炭火力発電所が建設されることになり、この発電規模はインドの全石炭火力発電所の2.5倍に相当しています。

要点

石炭「開拓」国

特に懸念されることは、現在、石炭火力発電が小規模あるいは石炭火力発電設備を有しない石炭「開拓」国で数多くの新規の石炭火力発電所の建設が進められ、これらの国々が将来にわたって石炭依存に陥ることです。「エジプトには石炭火力発電所がありませんが、中国の上海電気、サウジアラビアのACWAパワー社、エジプトのオラスコム社のような企業が計画を進めれば、国内に1700万kW(17GW)の石炭火力発電所が建設されることになります。」とSchueckingは述べています。パキスタンでは石炭火力発電容量が19万kWから1527.8万kWに増強される予定となっており、同様に、バングラディッシュでも25万kWから1596万kWに、ミャンマーでも16万kWから513万kWに増強されることになっています。

全体を見れば、石炭火力発電所の開発事業者は14カ国で新規計画を進めようとしており、これらの国には現在まったく石炭火力発電所を有していない国も含まれています。さらに19カ国に石炭火力発電による発電容量を100%以上増加させるほどの計画が存在しています。「これらの国の多くでは、建設計画に対する大々的な反対運動が起こっています。」と債務と開発に関するアジア民衆運動(APMDD)のコーディネーターLidy Nacpilは発言しています。「銀行と投資家は、新興国および地域に長期的に破滅的な石炭依存をもたらしてしまう企業を(ダイベストメントの)ブラックリストに載せるべきです。」

石炭「開拓」国における石炭火力発電所の拡大計画に関する詳細情報は、以下を参照のこと。
https://urgewald.org/country-list-coal-expansion-march2017

大手石炭火力発電事業者ランキング

世界で最も大きな石炭火力発電事業者は、インドの国営火力発電公社(NTPC)で、インドおよびバングラデシュに3800万kW(38GW)を超える規模の新規石炭発電設備の建設を計画しています。

次に大きな事業者としては、国家電力投資集団(SPIC)(3158.7万kW)、中国大唐集団公司(2894.5万kW)、神華能源(2601.4万k MW)、中国華電集団公司(2581万kW)、中国華能集団(207.5万kW)および中国国电集团公司(1725万kW)などの中国勢が並んでいます。これらの中国企業の計画を合わせると、ウルゲバルトのデータベースに記載された計画の43%を占めていますが、これらの計画のうち6分の1は中国外で計画されているものです。「中国政府が気候変動対策のリーダーになることを真に望むのであれば、政府管轄企業が世界中に新規の石炭火力発電所を建設することを制限すべきです。」とInternational Coal NetworkのコーディネーターのTrusha Reddyは述べています。

韓国や日本などのアジアの国々の企業も、石炭火力発電設備の計画においては突出しています。日本の丸紅は世界26位の石炭火力発電事業者であり、9カ国で合計1300万kW(13GW)以上の新規石炭火力発電の合弁事業に関与しています。丸紅が関与する計画の中にはボツワナ、エジプト、モンゴル、ミャンマーなどの石炭開発国における事業も含まれています。

アフリカ最大の石炭発電事業者は、世界15位の南アフリカの電力公社Eskomです。ヨーロッパで最も大きな石炭発電事業者は、ウルゲバルトのデータベース上では30位にあるポーランドの国営電力会社(Polska Grupa Energetyczna S.A.:PGE)となっています。

Global Coal Plantにあげられる計画における国際的な投融資

Heffa Schueckingによれば、「石炭火力発電事業者はアジアの国々のものが多く、銀行および投資家にはヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアの国々のものが多くなっていますが、いずれも全てが汚い石炭事業への支援を進めてしまう上で大きな影響を与えています。」インド国営火力発電公社(NTPC)、韓国電力公社(KEPCO)、丸紅、インドのAdani社あるいは中国資本企業のような上位にいる石炭関連事業者の債券や株の購入は、大規模な国際投資家および銀行のポートフォリオにおいて慣習的に行われています[2] 。

アクサ生命、アリアンツ、カルスターズ(カリフォルニア州の教職員退職年金基金、California State Teachers’ Retirement System : CALSTRS)のように石炭産業からのダイベストメントを既に表明している企業でも、石炭火力発電所の開発への投融資を続けています。「我々の調査から、石炭関連の収益あるいは発電量による閾値での企業の選定では、石炭発電事業者の多くを取り込めていないということが判明した。」とSchueckingは説明しています。収益に占める石炭関連の割合が30%より高くなっていたのは、石炭火力発電事業者の上位3分の1にすぎませんが、このダイベストメント閾値はアリアンツおよびノルウェー政府年金基金ではこの30%の閾値が適用されています。

残りの3分の2の事業者は、丸紅のような多角的経営の企業、あるいはベトナムの石油会社ペトロベトナム(PetroVietnam)やマレーシアの東洋インク(ToyoInk)のような他分野の事業者となっています。東洋インクは特に異例なケースで、現在はマレーシアの包装業界向けの印刷用インクを製造していますが、将来的に石炭火力発電市場に参入する決定を表明しています。

「私たちは、このような状況を例証すべくデータベースを作成しました。」「私たちがリスト化した企業の多くは、従来の石炭関連企業ではないため、金融業界では認識されていませんでした。我々のデータベースで初めて、気候変動の危機を加速させる石炭火力発電所の計画を推し進める、恥ずべき企業の名前が明らかになったと言えます。」とSchueckingは述べています。

金融機関に向けて言えることは、パリ協定に「Yes」ならば、石炭火力発電開発には「No」を突きつけなければならない、ということです。

このウルゲバルトのデータベースに含まれている120社を建設計画規模順に並べた際の日本企業の順位は、丸紅株式会社26位、J-POWER(電源開発)56位、中部電力60位、関西電力71位、中国電力73位、東京電力79位となっています。

[脚注]

1.これらの数字は、世界の計画中および既設の石炭火力発電所の全ての情報を地図上で示しているコール・スワーム(CoalSwarm)のGlobal Coal Plant Trackerを引用している。
2.金融関連情報の詳細は、最近公開された“Banking on Climate Change”および石炭関連業界における大手保険会社の報告書(http://bit.ly/2t3UvHa、http://unfriendcoal.com/coal/)を参照

追加情報

データベースの全容、図表および情報詳細はウェブページより閲覧可能:www.coalexit.org

連絡先(ウルゲバルト)

Heffa Schuecking, Urgewald Director, leader of the coal divestment campaign
Tel: +49 2583 / 30492 -13, heffa@urgewald.org
Christina Beberdick, Urgewald Coal Campaigner
Tel: +49 2583 / 30492 – 15, christina@urgewald.org
Moritz Schröder, Urgewald Communications Director
Tel: +49 2583 / 30492 – 19, moritz@urgewald.org

本報告書の公開への協力団体

BankTrack
Les Amis de la Terre
Re:Common
Rainforest Action Network(熱帯林行動ネットワーク)
Development Yes Open-Pit Mines NO
Asian People’s Movement on Debt and Development(債務と開発に関するアジア民衆運動)
The Sunrise Project
ECODEFENSE!
KIKO NETWORK(気候ネットワーク)
GroundWork South Africa
Justiça Ambiental/ Friends of the Earth Mozambique

ダウンロード

プレスリリース日本語要約版のダウンロードはこちら
英語版はこちらを参照(Media Briefingリンク

メディア関係者へのお願い

この石炭発電所開発データベースは、実際に石炭火力発電所計画を所有する企業の情報を反映したものですが、建設業者あるいは機器供給業者は含まれていません。リストに掲載した企業の抽出方法や手法についてはウェブページwww.coalexit.orgを参照下さい。

このデータベースは、火力発電所のバリューチェーンに連なる1,000以上の企業を調査した初めての大規模な調査報告書です。2017年秋に追加データの公表を予定しています。