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レポート紹介「にわか景気~世界の石炭火力発電計画の追跡」 ~世界の石炭火力計画の相次ぐ中止が物語ること~

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世界各地の石炭発電所建設計画の情報や動向を監視する「世界石炭火力発電トラッカー(Global Coal Plant Tracker)」というイニシアティブがあります。このイニシアティブによって明らかになったことを取りまとめたレポート「にわか景気~世界の石炭火力発電計画の追跡」(2015年3月16日)からは、興味深い事実が浮かび上がってきます。

 

 

●1基建設に対し、2基の計画が中止か保留に

このレポートによれば、2010年以降、世界中で石炭発電所1基が建設されるにつき2基の計画が中止または保留となっているという指摘しています。また、2014年は世界経済が伸び続けているにもかかわらず、石炭使用量の減少とクリーンエネルギーの普及に大きな影響を受け、初めて炭素排出量の伸びが止まりました。米国では、市民運動の大きな流れに後押しされ、2010年以降187基の石炭発電所が廃止され、石炭の使用は急激に減少しています。中国でも、2014年に7.3%の経済成長を示す中で、石炭使用量が初めて減少に転じたそうです。この傾向はヨーロッパや南米、アフリカなど他の国々でも同様に見られ、特に顕著なインドでは、2012年以降、1基の発電所が完成するのに対し6基が保留もしくは廃止となっています。EUの石炭発電所の廃炉は新設を22%上回る速さで進んでおり、低炭素経済へのシフトと石炭火力発電の廃止に主要3政党が合意したイギリスを筆頭にヨーロッパ諸国で脱石炭が進んでいるのが下表からも明らかです。

表1.地域別 2014年に計画された発電所容量

地域 保留・廃止(MW) 完成(MW)
東アジア 194,625 227,650 1:1
南アジア 313,420 80,340 4:1
ヨーロッパ 96,600 14,599 7:1
北アメリカ 23,653 14,677 2:1
東南アジア 22,260 13,701 2:1
ラテンアメリカ 17,890 4,016 4:1
709,952 356,866 2:1

出典: Global Coal Plant Tracker, January 2015

しかし、脱石炭の大きなうねりが起こる中でも、世界中で10億kWを超える新しい石炭火力発電所の建設が計画されているのも事実です。これは、地球の気候と人々の健康を破壊するには十分な数字です。

レポートは、悲劇的な気候変動と不安定化、健康への被害を極力抑えるためには、12月にパリで開催されるCOP21での協議に向け、各国が石炭への助成金を撤廃し、政策を変え、最先端のクリーンエネルギーに重点をおくことで、石炭火力発電所の段階的な廃止と、クリーンな発電への切り替えを継続的に推進していかなければならないと結んでいます。

世界で新設計画の中止・保留が進む中、石炭火力発電所の新規計画を続々と増やしている日本。逆行するトレンドがますます際立ってきたようです。

 

関連リンク

ENDCOAL.ORG

<レポートを参照したニュース記事(英語)>
Endo Coal: Global Wave of New Coal Plants is Going Bust, New Report Finds (2015/3/16)

<報告書>
Boom and Bust: Tracking The Global Coal Plant Pipeline

<参考情報(英語)>
The Carbon Brief: Blog (16 Mar 2015) More coal plants are being cancelled than built