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G7諸国が石炭依存から撤退する中、孤立する日本-E3Gの報告書に見る日本の立場

COP21パリ会議の準備会合が11月19日から23日までドイツのボンで行われました。COP21で2020年までの温室効果削減策の強化と、2020年以降の国際的な法的枠組みへの合意まで進めるには、この準備会合での話し合いが鍵となります。

 3G がG7の石炭対策を評価する報告書を発表

21日に開かれた記者会見で、英国の非政府組織E3G が先進7か国(G7 )の石炭対策を評価する報告書を発表しました。この報告書は、CO2を多量に排出する石炭火力発電への対策として(1)石炭火力発電のリスク、(2)既存の石炭火力の閉鎖、(3)国外の石炭火力への資金援助という3項目で評価付けを行っています。日本は全ての項目で「最悪」をマークし、G7諸国が石炭への依存を減らそうとする中で日本だけが「石炭の段階的廃止を目指す他の参加国とは対照的に、石炭に執着し、孤立している」と言及されました。世界が気候変動への対策として脱石炭を図る中、続々と新設計画を打ち出し、今なお石炭への依存を高める姿勢が国外から指摘されているのです。さらに、日本の途上国への石炭火力発電関連の輸出や資金提供も、評価を下げる理由となっています。

G7 ranking7か国のトップとなった米国では、老朽化施設の閉鎖が急速に進むほか、石炭火力発電所を新設する際には二酸化炭素回収貯留技術(CCS)の設置を義務づけたり、CCSなしの石炭火力発電所への融資を制限する世界の動きを牽引したりするなど、具体的な対策が進められていることが評価されました。他の国々も、石炭火力を段階的に削減することを表明したり、石炭火力発電への資金提供を制限するなどの政策を明確にしています。

 

石炭火力に依存し続ける日本

各国では、石炭火力への対策が進むにつれて発電量における石炭火力発電の占める割合も減少してきています。発電容量だけを比較すれば、米国の石炭火力発電所の設備容量は他国の2倍以上と圧倒していますが(2億8,800万kW)、発電量に占める石炭火力の割合は明らかな減少傾向にあり、2020年までに8,000万kW以上の石炭火力発電所の閉鎖を発表するなど、対策を進めています。一方で日本は増加の一途をたどっているのが現状です。震災に続く福島原発の事故以来、石炭への依存を高めている日本ですが、世界のエネルギーの多くを再生可能エネルギーでまかなっていこうとする世界的な潮流からは逸脱しています。

G7諸国が排出している混室効果ガスは世界中の22.4%(2012年)にすぎませんが、途上国で石炭発電の利用が増加すれば、排出も増えることが見込まれます。世界には2,177もの石炭発電設備の計画があると言われており、平均稼働年数を40年と考えると、その影響は甚大です。

日本に対する評価-日本が進むべき道は?

E3Gは、石炭火力発電所への支援から再生可能エネルギーの利用拡大を促進するための支援に方向転換するためには、全てのG7諸国が結束を固めて経済協力開発機構(OECD)の役割を強化すべきだと述べていますが、米国が主導する脱石炭の流れの足を引っ張っているのは他ならぬ日本なのです。G7諸国は6月にエルマウで開催されたサミットで、危険な気候変動を回避するため、今世紀末までに世界経済の脱炭素化を図ると宣言しました。そして今回、初めてG7諸国の石炭への取り組みが評価されたのですが、その結果が日本への厳しい評価として突きつけられたのです。

日本はこの評価を真摯に受け止め、世界の国々と協調し、温暖化対策に乗り出すべきでしょう。そのためには、今の石炭依存の体制を大きく反転させる必要があるのです。

出典:

E3G: Press Release “ Japan isolated as USA leads the way in G7 move beyond coal” (October 21, 2015) (英語・日本語)

*このページの右側の関連文書リスト(Related Document)にJapaneseと書かれているものは日本語でご覧いただけますので、ご参考下さい。

プレスリリース「アメリカがG7の脱石炭の道を先導する中で孤立する日本」歴史的な脱炭素宣言を実現する 石炭の段階的な廃止に向けたG7のパリへの道(PDFへのリンク)

関連報道:

Bloomberg: Japan `Odd One Out’ Among G7 in Move Beyond Coal, E3G Says(英語)

Reuters: “U.S. leads industrialised nations in shift from coal: study”(英語)

Mainichi: 脱石炭:日本は最下位…火力新設相次ぎ NGO先進国評価(日本語)

Institute of Mechanical Engineers: JAPAN AND GERMANY LAG ON COAL SWITCH-OFF(英語)