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<4>最近の、もっとアブナイ動き

4.最近の、もっとアブナイ動き

(2014.1.27更新)

2012年12月に発足した安倍政権下では、石炭利用を推進させる様々な動きがあります。

1.政府の方針

政府、日本再興戦略と骨太方針を閣議決定
安倍首相 (写真:ロイター/Toru Hanai)

(1)石炭発電をつくりやすくする規制改革

2013年6月、政府の規制改革会議は、経済成長のための規制緩和の一つに、「石炭火力発電に対する環境アセスメントの明確化・迅速化」を挙げ、「環境アセスメントの手続期間を短縮する(従来3年程度かかる火力のリプレースを1年強程度に短縮等)と答申しました。というのも、「石炭火力発電に対する現行の環境アセスメントは、CO2 削減のため個々の事業者に過重な環境保全措置を求めている面があり、事業見通しを困難にしてい」て、「結果として新規参入の障壁になるなど、安価で安定的なエネルギー供給の妨げになっている」からだそうです。つまり、石炭火力発電所を新しく建てようとしたとき、環境大臣が、環境アセスメント(用語解説)で「CO2排出が多いから問題だ」と言う可能性があると建設判断が難しいから、そのような不安材料を取り除き、環境アセスメントも短くして建てやすくしてあげましょう、というわけです。

(2) 石炭発電の推進をうたう「日本再興戦略」

安倍政権は、景気を刺激するためアベノミクスの一部をなす「日本再興戦略」を2013年6月に発表しました。この戦略の中で政府は、上記の答申を受け、「環境アセスメントの明確化・迅速化」をうたい、国の温室効果ガス排出削減目標と整合的であることと、商用プラントとして運転中の最新鋭の技術以上を採用しているかの確認の上、火力発電のリプレース(更新)については、環境アセスメントをこれまでの3年程度から1年程度に短縮する方針です。
また今後は、先進超々臨界圧火力発電(A-USC)技術、石炭ガス化複合発電(IGCC)技術、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)技術などの「クリーンコール技術」の技術開発を進め、これらを10~20年後に実用化するとしています。
さらに、途上国の経済発展への貢献と温室効果ガス排出の削減のために、日本の石炭発電技術の輸出を進める方針です
つまり、政府の今の方針は、国内で石炭発電を、速やかに建てやすくし、技術開発を進めながらさらに推進し、それを世界にも輸出していこうというものです。石炭の発電所を作りやすくして、国内外でこれを建設を進めれば、長期にわたって大量のCO2を排出し続け、地球温暖化影響を加速してしまいます。これでは、環境保全と逆行です。本当なら環境アセスメントをもっと厳しくし、途上国への輸出は制限するべきではないでしょうか。

2.すすむ国内の石炭火力発電の建設計画

1-4東電
東京電力広野火力発電所(写真:東京電力)

2013年に、福島県にある広野6号(60万KW)と茨城県にある常陸那珂1号(100万KW)が運転を開始しました。しかし、これだけではありません。政府は、2012年末から新しい石炭火力発電所の建設に大きく動き出しています。これは、2011年3月の福島第一原子力発電所事故以来の新しい動きです。日本政府と電力会社は、新規発電所の建設と既存の発電所のリプレース(更新)の計画を進めています。これらの計画により、2020年以降、2060年頃まで運転を続ける新しい石炭火力発電が続々と建設されることになります。このことは、環境や将来世代に大きな負担をかけるものです。

(1) 東電入札の落札3会社が2基の石炭火力発電所建設を計画

東京電力会社(東電)は、2013年2月、ベース火力電源260万kWの入札募集を始め、その結果、これは、福島第一原子力発電所故後、資源エネルギー庁がコスト低減のために決定した新しい入札ガイドラインを初めて採用したものです。東電は入札募集に際し、電力購入単価を9.53円/kWhと低く設定したため、石炭火力発電のみが採用されるであろうことは明白でした。
電力入札は、中部電力・新日鉄住金・電源開発が計2基の建設を落札し、案の定いずれも石炭火力発電でした。すでに、発電所建設のための会社二社(「常陸那珂ジェネレーション」「鹿島パワー株式会社」)が創設されています。これらの石炭火力発電所は2019~2021年に運転を開始する計画です。つまり、これらの発電所は、直近の原発停止の影響による電力の埋め合わせには何ら貢献せず、将来に向かって使用され続けるためのものになります。

(2) 福島県での2基の石炭火力発電所の計画

さらに東京電力は2013年12月、被災した福島県内において2基の石炭火力発電所の建設(合計100万KW)を検討しています。石炭ガス化複合発電技術(IGCC)という最高効率の技術を採用するとしていますが、それでも排出量は710g-CO2/kWhと、米国環境保護庁(EPA)が提案した500g-CO2/kWhの石炭火力発電所規則よりはるかに高く膨大です。この3000億円相当のプロジェクトで、発電所は2020年運転が開始すると予測されています。
これららの建設計画が現実のものになってしまうと、2020年は石炭ラッシュ年になってしまいます。このようなことは回避しなくてはなりません。

3. 広島県にある竹原石炭発電所のリプレース

動きは新設だけではありません。電源開発(J-Power)は、広島県における竹原石炭火力発電所の新1号機(60万kW)のリプレース(更新)計画を進めています。この計画はリプレースであることから、環境アセスメントの迅速化が適用され、2011年に始まったアセスメントは実際に速いペースで進んでいます(もっと読む)。